2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on the meta-magnetocaloric effect under high pressure
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18K04922
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
梅原 出 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90251769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇舎 和平 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教 (50781465) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熱磁気量効果 / 圧力 / 単結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果を踏まえた上で研究を遂行し、その成果公表にも注力した。本年度は、(1)~(3)の研究を行った。(1)昨年度に引き続きGd5SixGe5-xの系のうち磁気冷凍作業物質候補として極めて有力であるとされているGd5Ge4の常圧下・圧力下での磁化測定を詳細に行った。その結果、常圧下では、温度40Kにおいて、0T-5T-0Tのサイクルで最も効率的な断熱消磁が行える事が確認出来た。(2)(1)で確認できた結果を踏まえて、常圧下で、断熱消磁の実験を行った。この断熱消磁の実験は、世界で最もユーザーの多い物理実験装置であるPPMSに実装した。予備的な実験として、常磁性塩CrK(SO4)2を用い断熱消磁を行った。2Kで5T印加し断熱消磁を行ったところ最低温度0.14Kを得た。さらに、先行研究や本研究で得た知見であるGd5Ge4を用い40Kにおいて、0T-5T-0Tのサイクルで断熱消磁を行った。結果は、37Kまでの高温は認められたが、上記の磁化特性から算出された効率的な断熱消磁効果を得るものではなかった。0T-5T-0Tのサイクルでは、磁場の印加速度や磁場間隔などのパラメーターを詳細に変化したが大きな効率性の向上は認められなかった。現在、原因の究明を行う実験を実施している。(3)関連物質であるNd5Si4やPr5Si4の単結晶を世界で初めて育成した。これら単結晶を用い、結晶構造解析や磁気的・電気的・熱的特性の研究を展開し、成果発表を行った。特に結晶構造解析の結果、これらの物質でのカイラル性に新たな知見を得た。これらの物質についても、圧力効果のプリリミナリーな実験を開始し、1GPa以下では顕著な圧力効果がないことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高圧下での磁化測定の詳細な実験を終え、磁気熱量効果の実装を行い、問題点の抽出が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で述べた(1)については、研究は終了し、成果も論文として発表済みであるため、(2)をさらに遂行する。本年度得た成果は、磁化測定による磁気冷凍作業物質の熱効率の見積もり上や理論上断熱消磁が行える事が帰結されていても、現実の系に実装した時は期待する効果が得られないことを示唆するものであり、磁気冷凍作業物質の研究に一石を投じる結果となったため、さらに、実装実験の物理パラメーターを吟味し、実行していく事が不可欠である。また、圧力セルを本年度の結果を踏まえて改良する。
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Causes of Carryover |
物品納入時に金額が違っていたためであるが、来年度適性に処理する。
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Research Products
(17 results)