2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on of LED irradiance measurement under near field condition using stereoscopic method
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18K04953
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
神門 賢二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (30371040)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 輝度 / ステレオカメラ / LED / 放射照度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、光源表面の微細輝度分布とその3次元座標を、ステレオカメラ方式を適用したCCDカメラ(ステレオカメラ式受光器)により決定し、光源サイズ以下の測定距離における放射照度測定を目指す研究である。本年度は、主に 1.ステレオカメラ式受光器を用いた3次元座標の導出、2.その他を行い、以下の成果を得た。 1.ステレオカメラ式受光器を用いた3次元座標の導出 ステレオカメラ式受光器を用いた3次元座標の導出をZ.Zhangの方法に基づくバンドル調整法により行った。具体的には、複数の校正用グリッドのイメージを測定し、得られたグリッドイメージからカメラパラメータ(3次元座標校正)の導出を試みた。実験当初は、測定距離などの諸条件を変更しても3次元座標を導出することができなかった。原因を検討したところ、ステレオカメラ式受光器に用いたレンズが、バンドル調整法に適していないためであることが判明した。このため受光器設計を再度やり直し、改善した受光器で再度実験を行ったところ、同受光器の3次元座標校正に成功した。そして、実際の測定対象であるLEDの3次元座標の導出についても、2つの画像の対応点探索にも成功し、LEDの3次元座標の導出が成功した。 2.その他 本研究では3次元座標測定だけでなく、輝度分布の絶対測定を合わせて行うのが大きな特徴である。このため、昨年度は校正用の均一輝度光源の整備を行い、今年度は校正用参照受光器の開発を行った。開発した参照受光器はSi-PDに特殊な迷光処理を行った精密アパーチャを取付けた受光器であり、産総研が所有している分光応答度標準により絶対分応答度校正を行った。また、絶対校正を行うための取付ジグなども併せて試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、主にステレオカメラ式受光器を用いた3次元座標の導出に注力を行い、受光器の再設計等を行うことにより、測定対象であるLEDの3次元座標の導出まで行うことができた。今年度計画では、ステレオカメラ式受光器の分光放射輝度応答度校正まで行う予定であり、校正用参照受光器の準備・校正などを計画通り進めたが、前述した通り受光器の再設計等を行ったため、受光器の分光応答度校正まで行うことができなかった。更に上記実験を通して、ステレオカメラ式受光器一台で、3次元座標測定と輝度分布の絶対測定を行うことは、困難であることが判明した。対応方法として、3次元座標測定用のステレオカメラ式受光器とは別に、輝度分布の絶対測定用の受光器を新たに設計・開発した。 年度当初の目的は、ある程度は達成しているが、実験を進める中で受光器の分離の必要性など、新たな課題が判明しており、当初の最終目的を考えると全体的に計画が遅れている。来年度以降は、更に研究に注力して、目的達成を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、研究目的を達成するために、以下の実験を順次行う予定である。 1.輝度計測用受光器の分光放射輝度応答度校正:開発した積分球光源と校正用参照受光器を用いた輝度計測用受光器の分光放射輝度応答度校正を行う。校正においては、できるだけ測定対象であるLEDと同じ輝度値になるように注意する。 2.LEDの3次元座標とLEDの微細輝度分布の測定:所有するLED測定装置にステレオカメラ受光器および輝度計測用受光器を取り付け、LEDの3次元座標とLEDの微細輝度分布の計測を行う。 3.3次元輝度イメージの構築:上記2つのカメラから得られた測定結果に基づき、LEDの微細輝度分布とその3次元座標の対応付けを行い、LEDの3次元輝度イメージの構築を行う。得られた結果から、近距離の放射照度の導出をレイトレース計算により導出を行う。 実施内容は多いが、実験で必要となる受光器開発などの事前準備は、ほとんど終わっている。一番の課題は最終結果を導出するためのLEDの微細輝度分布とその3次元座標の対応付けをするための解析方法である。この解析に注力して研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初の支出予定通り、ステレオカメラ受光器による3次元座標校正のためのグリッドターゲット購入やその作成、および校正用参照受光器の開発などに使用した。更には、昨年度の残額分などを利用したステレオカメラ受光器の再設計などを行った。結果として、昨年度の残額分も含めて使用用途は概ね計画通りである。当初の見積額から差異が生じたのは、複数業者から見積もりを取得し、当初見積額よりも安く購入できたためである。 今年度は、昨年度使用額も含めて、LED測定装置にステレオカメラ受光器を取り付ける際に必要となる取付治具等の試作を行い、研究計画を推進することを目指す。
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