2019 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of defect levels in UV-LEDs by below-gap excitation light under operating condition
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18K04954
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鎌田 憲彦 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50211173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 裕之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50239737)
平山 秀樹 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (70270593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | UV-LED / 欠陥準位 / 非発光再結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
ELピーク392nm(3.16eV)の紫外域LEDを用いて、定電流駆動時のBGE光照射による規格化EL強度INの1からの変化、定電圧駆動時のBGE光照射による電流変化Δiを注入電流10mAまでの領域で観測した。前者ではBGEエネルギー1.46eVでの変化はなく、1.17eVでINの1からの低下が得られ、欠陥準位(2準位モデル)が検出された。後者ではBGEエネルギー2.38eVと1.17eVでのΔiの増加が顕著であった。これらの原因を調べるため、電流注入の代わりに3.49eVのAGE光をLED出射窓から内部に照射してΔiを観測した。その結果、この条件でもΔiの増加を観測したが、その値はAGE光子密度依存性を示さない、すなわち発光層の励起キャリア数によらないことがわかった。 次にUV-LEDの積層構造の1部であるn-AlGaN層試料を用意し、この試料に電流を130mAまで流してBGE効果を調べた。2..33eVのBGE光照射によりΔiが観測され、その値はUV-LEDの場合と同様にIに比例して増大した。これらの実験結果から、UV-LEDで観測されるΔiは発光層内ではなく、電流路の一部であるn-AlGaN層に存在するNRR準位によって生じていることがわかった。 UV-LEDと並行してELピーク505nm(2.46eV)の青緑LEDの測定と検討を始め、BGE照射光をチョップしてロックイン検出する手法で検出感度の改善を得た。BGE光のON/OFF周波数により応答が異なる結果を得たため、今後時間領域での解析に発展させる手がかりが得られた。この青緑LEDではIN値とΔiの変化から、0.81~1.46eVに及ぶ複数のNRR準位が検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
定電圧駆動での電流変化Δiを調べることにより、実使用電流注入領域までのBGE効果の観測を達成した。素子電流はp-、n-電極間の全ての情報を含むため、Δiに寄与する欠陥準位がどこに存在するかを識別する必要がある。光励起であれば光子エネルギーにより発光層を選択励起できるため、当初計画では重要視しなかったAGE光照射を組み合わせた取り組みを進めた。その結果n-AlGaN層の可能性が高く、1歩前進することができた。青緑LEDではBGE光をチョッパーで変調しロックイン検出する手法で測定精度の改善を得た。 2019年度はUV-LEDの欠陥準位検出についてCompound Semiconductor Week (CSW), Nara, 禁制帯内励起光を用いた欠陥準位検出のReviewをInt. Conf. on Computer, Communication, Chemical, Materials & Electronic Engineering (IC4ME2), Rajshahi, BangladeshでKeynote Speech、応用物理学会春季学術講演会(2020年3月)で講演した。 UV-LEDの基本構造であるAlGaN-MQWの結晶成長と評価に関してJpn. J. Appl. Phys. AIP Advances, Opt. Mat.で論文発表、Asia-Pacific Workshop on Widegap Semiconductors (APWS2019), Okinawa, Int. Symp. on the Science and Technology of Lighting (LS16), Sheffield, UK.で講演した。 今年度取りまとめ時期である2020年2月中旬以降、COVID-19により予定した実験が不可能となり計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
ロックインアンプを使用して検出感度を改善しつつ、青緑LEDへのBGE光照射によるEL強度変化IN値とそのBGEエネルギー依存性をより高電流領域まで観測する。電流変化Δiは実使用電流領域までを達成したので、青緑LEDでの欠陥準位の場所分布をUV-LEDで昨年度実施した手法を用いて検討する。具体的には電流注入の代わりにAGE光で発光領域の選択励起を行い、両者を比較する。これらを合わせてチョッパー周波数依存性を調べ、BGE効果の時間応答特性に関する実験データを集める。レート方程式解析では、キャリア寿命、欠陥準位を介した充放電時定数の影響を含める可能性を検討する。 これらを総括して、LED形状での欠陥準位の検出とそれらの発光特性への寄与、その注入電流依存性を取りまとめ、材料組成、素子構造との関係、素子設計、結晶成長や素子化プロセス依存性を示して効率改善の指針確立を図る。
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Research Products
(9 results)