2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04971
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡邉 恵理子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20424765)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ホログラフィ / 相関イメージング / 位相シフトデジタルホログラフィ / 平面光導波路 / 計算機ゴーストイメージング / 光相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
散乱媒体の背後に隠された物体をイメージングする手法は、多くの応用が期待されていることから、様々な検討が行われてきた。本研究では、申請者の保持しているレンズレス位相シフトデジタルホログラフィック顕微鏡技術、平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡システムの技術、および相関演算技術を元に、散乱媒体の背後にある物体や生体内部の3次元イメージング手法を開発していく。 2019年度は下記の3つの項目を実施した。 まず、散乱媒体に隠された3次元物体や位相物体に対して、高分解能で顕微イメージング可能な、インライン位相シフトデジタルホログラフィによる顕微3次元イメージングシステムを提案し、実装した。拡散板背後に配置した解像力チャートをイメージングした結果、1.81umの空間分解能を達成し、本手法の有効性を確認した。さらに、3次元イメージングとして、散乱媒体背後の異なる奥行方向位置にある物体に対し、それぞれの物体に焦点を合わせられることを確認した。また、拡散板背後にある透明位相物体に対し、高精度に定量位相イメージングが可能であることも実験により実証した。散乱媒体を生体組織であるラットの皮膚組織としたイメージング実験において、空間分解能2.00umが得られることを確認した。 次に、これまで構築してきた高速光相関システムを用いた光相関計算機イメージングを提案し、強度イメージングを実験により実証した。さらにホログラムの記録プロセスに位相シフト法を適用することで、対象物体の複素情報を回復する方法の提案とシミュレーションによる原理確認を実施した。 最後に、光相関計算機イメージングにおける再構成手法として深層畳み込み層からなるネットワークを提案し、イメージングシステムにおいて生じるノイズ除去に関する基礎的な検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2019年度では、インラインデジタルホログラフィによる散乱媒体背後にある物体の顕微3Dイメージング光学系を設計・試作し、実験により顕微3Dイメージングを実証した。さらに、光相関計算機ゴーストイメージングを提案し、強度イメージングの実証、位相イメージングのシミュレーションによる原理確認を実施した。査読付き学術論文を2報出版し、国際会議や国内会議などで積極的に発表を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度では下記の項目を実施する予定である。 1.散乱媒体背後にある物体の顕微3次元イメージングに向けた平面導波路デバイスを設計・試作する。 また生体試料に対し近赤外光を用いることで、イメージング性能を上げる。 2.高速光相関を用いた光相関計算機イメージングに対し、複素情報回復に対する原理的な実験を実施する。 3.深層畳み込み層を利用した光相関計算機イメージングの高性能化、および実験による実証を行う。
|
Causes of Carryover |
2019年度に購入を予定していた特注部品に関し、より詳細な設計を実施した後に購入するほうが、本研究の目的に適したシステムを構築できることが分かった。2020年度にその助成金を繰越し、詳細設計を実施したうえで、特注部品を購入することとした。なお、特注部品を設計するための基礎評価光学系はすでに保持している光学部品で対応可能できることが分かったため代用した。
|
Research Products
(13 results)