2020 Fiscal Year Annual Research Report
3D imaging inside an object based on the correlation method
Project/Area Number |
18K04971
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡邉 恵理子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20424765)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホログラフィ / 相関イメージング / 位相シフトデジタルホログラフィ / 平面光導波路 / 計算機ゴーストイメージング / 光相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者の保持しているレンズレス位相シフトデジタルホログラフィック顕微鏡技術、平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡システムの技術、および相関演算技術を元に、散乱媒体の背後にある物体や生体内部の3次元イメージング手法を開発することを目的とする。2020年度は下記の3つの事項を実施した。 はじめに、インライン位相シフトデジタルホログラフィによる顕微3次元イメージングシステムにおいて、生体組織に対してより透過する近赤外光を用い、空間分解能を評価した。まず、1㎜程度のラットの生体組織透過率を測定してみると、632.8nmにおいて25%、780nmにおいて41%の透過率となり、近赤外光の方が生体組織を透過しやすく、散乱の影響を受けにくいことを確認した。波長780 nmの近赤外光を用いて1㎜程度の生体組織背後のイメージングを行ったところ、カットオフ周波数から算出される理論空間分解能1.95 μmに対して、実験による空間分解能は2.06 μmと理論分解能に近い値を得た。このように、生体組織に対してより透過する近赤外光は散乱媒体背後の顕微イメージングに適していることを確認した。 次に、本手法を拡張してより深部をイメージングするために、共通光路デジタルホログラフィを組み合わせた位相揺らぎの抑制方法を提案し、構築した基礎的な光波干渉シミュレータにより原理検証を行った。物体光側の位相が揺らぐ場合、再生像が歪むのに対し、共通光デジタルホログラフィを活用することで位相揺らぎが抑制された再生像が得られることを確認した。 最後に、デジタルホログラフィによる散乱媒体背後イメージングシステムの実装に向けた光導波路の基礎的な設計方針として、出射端の間隔と出射光の傾斜角、物体光と参照光の光路長差、スプリッタサイズ等パラメータの最適化方法を考察した。
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