Research for Rb-Cs molecules toward EDM measurement

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K04973
• Research Institution: Shizuoka University
• Principal Investigator: 本多 和仁 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70408706)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 磁気光学トラップ / セシウム原子 / ルビジウム原子 / YVO4レーザー / 半導体レーザー

Outline of Annual Research Achievements

本年度はセシウム原子の磁気光学トラップを目指した．しかし，その前に，セシウム原子の磁気光学トラップに必要な852nm単一波長レーザー光源2台のうち，1台の状態が悪かったため，その原因を突き止めることにした．その結果，元となる半導体レーザーの品質にブレがあることが原因だとが分かった．今後は事前に検査をすることで不具合を回避できるのではないかと予想している．この結果に基づいて作成したレーザー光源は波長操作が正常に行えた．また，飽和吸収分光も問題なくできたため，単一波長であることも確認できた．このようにレーザー光源が新たに1台準備できたので，この光源とすでに正常に動作をしていたレーザー光源の計2台を用いてセシウム原子の磁気光学トラップを試み，成功した．この実験において用いた光学素子はルビジウム原子に用いる波長780nmの光専用のものであったが，この実験の結果，セシウム原子に用いる852nmの光で用いても磁気光学トラップができることが分かった．この結果から，セシウム原子とルビジウム原子の同時捕捉には同じ光学系でできるため，実験を簡便に行うことができると予想される．現在はルビジウム原子との同時トラップを目指している．
一方，同時に進めているのがセシウム原子とルビジウム原子を光双極子力トラップに捕捉するのに必要なYVO4レーザーの作成である．これにはレーザー発振用の光共振器が必要なため，学生とともに光共振器の設計を行った．現在は設計した光共振器に必要な鏡とネオジムを添加したYVO4結晶を入手し，その他の部品を発注したところである．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本来，ルビジウム原子とセシウム原子の同時トラップを行う予定であった．しかし，光源装置がうまく動作していなかった．本年度はその原因究明に時間がかかってしまった．また，元の光源に見切りをつけ，半導体レーザーを新しく購入し，装置を作り直すことを早くに決断していればよやかったのだが，その決断が遅れてしまった．

Strategy for Future Research Activity

学生が修了し，院生が1人となったことにより，YVO4レーザーの作成とセシウム原子－ルビジウム原子の同時トラップを同時に進めるのは困難である，しかし，実験計画は変更する必要はなく，まずは現在進行中のYVO4レーザーの作成を行った後，同時トラップを行う．

Causes of Carryover

理由は2つある．1つは所属機関である静岡大学の内部の仕事を新たに請け負ったことにより，運営交付金を多めに分配されたためである．そのため，実験に必要な物品などの購入の一部をこの予算にあてた．もう1つの理由は計画が少々遅れていることによる．今後，実験を計画通り進めていけば，繰り越した予算の大半は消費される予定である．また，これまでの実験で，光源となる半導体レーザーの出来にブレがあることが分かった．購入した半導体レーザーには使えないものがでることが予想されるため，余分に半導体レーザーを購入する必要がある．繰り越した予算をこれにあてる予定である．