2018 Fiscal Year Research-status Report
Single pixel imaging with weak energy illumination
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18K04976
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
仁田 功一 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (20379340)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シングルピクセルイメージング / システム試作 / 微弱信号計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究で取り扱う、1次元パターン照射に基づく高精細シングルピクセルイメージングシステムの試作を行なっている.このシステムでは,その点灯位置を独立に制御でき、素子の感覚が数10um程度と高密度に配列された発光素子アレイが必要である.高精細化を行うために,光源を従来利用していた発光ダイオード(LED)マトリックスと呼ばれるデバイスから変更することを検討した。検討により,まずマイクロLEDと呼ばれる次世代の小型ディスプレイに搭載されることが期待されるデバイスに着目した.ただし,このデバイスは量産化されていないこともあり,申請研究の予算において利用できる状況になかったため,代替デバイスを調査している.ディスプレイ用途に用いられる有機エレクトロルミネッセンス型デバイス(OLED)を採用し,測定装置の改良を行なった.改良した装置を用いた実験の結果,画素数が64x64と小規模ながら従来装置と比較して、画質が劇的に改善されることを確認している. また,このシステムが抱えている画像劣化の特性をモデル化し,ディジタル超解像技術を適用することで、劣化の影響を低減できる手法を開発し,その有効性を確認している.画像劣化の過程は,レンズの特性に起因する照明光の広がりと,用いるMEMSミラーの画素間隔により定量モデルとして定式化できる.ディジタル超解像技術としては,反復的な数値計算により画像修正を行う手法を採用している. また,微弱光による計測の有用性を示すため,信号対雑音比を評価するためのノイズモデルを検討した.このモデルでは,受光素子において計測される光強度信号に一定の平均と分散を有する雑音が付加されることを想定するものである.この方法は,分光計測に用いられる評価法を参考に構築している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示すとおり,研究当初は利用する予定であったマイクロLEDデバイスを利用できなかった.このデバイスは数年後におけるスマートフォンのディスプレイパネルの主要技術として位置づけられており,その前提において申請研究における光計測システムとしての整合性が非常に良い.したがって,性能の観点では,最適なデバイスであるという見解は現在でも変わっていない.ただし,現状で量産化が進んでおらず,研究期間において利用できる状況ではないと判断した.この点により,計測系のシステム開発に若干の遅れが生じている.ただし,光計測システムの構成要素として代替できる光源デバイスの候補がいくつか見つかり,有機EL素子とレーザー走査型プロジェクターが研究している計測システムに適合していることがわかり,遅れを取り戻しつつある状況である. 微弱光計測の特性解析は予定通り進んでいる.生体試料の計測に進むための大きな懸念材料も見つかっていない.
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Strategy for Future Research Activity |
試作システムを用いた実験的検証から,申請研究の有効性を示すためのデータを蓄積することが,当面の課題である. 解像度チャートや,市販されている永久プレパラートを用いてイメージングを試み検証する.これらの検証において,測定対象に照射される光エネルギーを可変の光減衰フィルターを用いて調整し,再構成画像の画質を信号対雑音比及び,コントラストを用いて評価する.測定システムを定量的に評価するために,受光素子の仕様に合わせた白色雑音の平均と分散を用いて理論解析を行う.実験と理論解析の結果を比較することで、整合性を確認する. さらに,イメージセンサーを用いた画像取得,シングルピクセルイメージングの従来法、提案手法においてそれぞれ取得される画像 における信号対雑音比を比較することで、低侵襲イメージングとしての高精細型SPIシステムの優位性を定量的に示す.理論解析及び,実験による検証から,測定対象のスパース性と再構成画像 の画質について考察する.以上の定量的な評価と考察を通して、非侵襲イメージングを必要とする生体イメージングや非破壊検査等各種応用についての高精細SPIの適応性と潜在性を確認する。
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Research Products
(8 results)