2019 Fiscal Year Research-status Report
Single pixel imaging with weak energy illumination
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18K04976
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
仁田 功一 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (20379340)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シングルピクセルイメージング / 高精細化 / 画像再構成 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
1次元パターン照射に基づく高精細シングルピクセルイメージングの高精細化の検証を行っている。前年度までの検討により、一次元パターンを走査するためのデバイスを選定することが重要であることを把握している。デバイスを検討および調査した結果、レーザーダイオードとMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により構成され、プロジェクターとして市販されているデバイスをパターン走査系として利用することに着目した。この市販品の仕様から、100万画素以上の画像計測を行うために有用であることを確認している。前年度までに試作した実験システムにこの市販品を導入することで、高精細イメージングを試みた。その結果、テストチャートを用いた実験により、1024×1024画素を有する画像を得ることに成功している。この結果を、128×128画素、256×256画素、512×512画素でそれぞれ出力した結果と比較することで、空間解像力の観点から良質な結果を得ていることを確認するに至っている。前年度では、最高 で64×64画素程度の結果しか得られていなかった。今年度、画素数を100倍以上向上させると共に、本研究の目標値に到達することができた。 シングルピクセルイメージングの画像再構成においては、2018年ごろより深層学習を用いる手法が報告されている。本研究の基本手法である1次元パターン照射に基づく高精細シングルピクセルイメージングにも適用を試みた。この画像再構成では、光計測と画像再構成の過程を畳み込みニューラルネットワークモデルでモデリングする。検証の結果、小規模な画素数(64×64)において、所望の画像再構成が行えることを確認している。学習データの作成とその計算時間に課題を有するものの、本研究にも深層学習が有効であることを示せた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高精細化に関しては、100万画素以上という本研究の目標値を達成したことは大きな成果であると考えている。レーザー走査型プロジェクターも入手性がよく扱いやすいデバイスであり、システム試作の観点からも簡便で有用であると考えている。一方、微弱光を用いた特性解析や生体試料のイメージングに関しては、取り組みが十分でなかった。ただし、高精細化に関する成果により、最終年度は、生体試料のイメージングと微弱光イメージングへの検討に注力できる状況まで到達している。また、 新たに、深層学習を導入することで、従来の圧縮センシングよりも測定回数を削減できる可能性を示せた。深層学習の効果において、光計測の回数を削減できれば、画像計測の高速化に寄与できること、また、超解像処理の効果も期待できることから当初予定にない有用な成果をえたといえる。 以上より総合的に概ね順調に進展していると判断している
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Strategy for Future Research Activity |
まず、生体試料を測定対象にした画像計測実験を行い、その特性を考察する。特に、本研究で着目する微弱光イメージングの可能性についても一連の実験により詳細に調べる。測定対象に照射される光エネルギーを光学素子を用いて調整し、様々な照明条件において得られる画像のコントラストを評価する。評価結果より、提案手法の微弱光イメージング技術としての有用性を示す。さらに、測定回数と信号対雑音比の関係を定量化することで解析的な観点からも微弱光イメージングとしての性質を考察する。また、各条件における画像の空間解像度を評価することでイメージングシステムとしての分解能について算出する。 深層学習の適用については、実験データによる学習を実行することが主要な課題の一つである。深層学習における学習では、精度の良いモデルを得るために、膨大なデータを用いる学習が必要になる。さらに、学習データを実験的に得ておく必要がある。効率的なデータセットの生成法を検討し、実験を行う。実験データからネットワークパラメータを導出すると共に、画像再構成を試みその効果について評価する。 以上の項目と並行して、実験系の高速化のための改良を進める。具体的には実験システムを構成する各デバイスを同期的に動作させる。高速化自体学術的な意義は大きくないものの、実験を円滑に行うためには重要である。
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Research Products
(9 results)