2019 Fiscal Year Research-status Report
低コストSi太陽電池のためのウェットプロセス電界効果パッシベーション膜の開発
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18K05008
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
渡邊 良祐 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (70557735)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 表面パッシベーション / シリコン太陽電池 / ゾルゲル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルミナは負の固定電荷を持ち、表面の電子を反発する電界効果パッシベーションが期待できるため、シリコン太陽電池の新規裏面パッシベーション膜として注目されている。 今年度は、ゾルゲル法にて作製したアルミナ膜の更なるパッシベーション特性の向上を目指し、焼成条件をさまざまに変更してパッシベーション特性の評価を少数キャリアライフタイムの値により行った。その結果、試料焼成時の焼成雰囲気の違いによりライフタイムの値に大きな違いが見られた。主には、大気雰囲気、酸素雰囲気での焼成時のライフタイムは数百マイクロ秒程度と、パッシベーション膜なしのシリコン基板の場合の10マイクロ秒程度からの大幅な増大が見られた。一方で、窒素雰囲気中では百マイクロ秒程度と多少のライフタイムの増大は見られたが、顕著な増大は見られなかった。また、試料焼成時に同時に水蒸気を導入することで、キャリアライフタイムの更なる特性改善が見られた。これらの特性改善の原因については現在評価中である。 また、いずれの試料についても、時間の経過とともにライフタイム特性の劣化が見られた。ゾルゲル法で製膜したアルミナ膜について、時間とともに顕著にパッシベーション特性が劣化する原因を探るため、今年度立ち上げたC-V測定系を用いて、各試料のC-V特性評価を行っている。また、パッシベーション膜によるバンド曲がり量をリアルタイムで評価するため、ケルビンプローブを用いたSPV測定系を今年度から立ち上げ中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画の一つであった、C-V測定系の立ち上げが行えたため。また、C-V測定系を用いた試料の界面準位密度、固定電荷量評価とライフタイム特性劣化の関係性についての評価が可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
C-V測定系は立ち上げたが、バンド曲がり量をリアルタイム評価できると期待されるSPV測定系の立ち上げは、2020年度も引き続き行う予定である。これらの手法を用いて、試料作製後の時間経過に従いライフタイム特性の劣化が見られたことについて、原因の探索を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として1,018円の差額が生じたが、これは個々の物品での購入価格のわずかなずれが積算されたため生じたものであり、この額を含め次年度はこれまでの計画通りに助成金を使用することで新たな問題は生じない。
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Research Products
(6 results)