2019 Fiscal Year Research-status Report
地熱探査用MIMO型3次元指向性ボアホールレーダのフィールド実証実験
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18K05019
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
海老原 聡 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20301046)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ボアホールレーダ / 地中レーダ / 指向性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、開発したボアホールレーダのフィールド実証実験を行うための実験場を学内に造成した。これらは8~9 m長さの4本の坑井(45°傾斜井を含む)であり、坑井を用いて開発レーダのフィールド実証実験を行った。2018年度に設計試作した深度方向約1mの区間に送受信アンテナ12素子を、フィールド実験可能なようにアンテナ周囲の給電線を引き回す等行った。これをFRPベッセルへ内蔵し、方位計とともに全長約3m程度のレーダプローブを試作した。このプローブを用いてシングルホール計測を行ったところ、時間領域で送受信アンテナ間の直接結合が見られた後、坑井から1m離れた誘電体円柱(レーダターゲット)からの反射波を検出した。この反射波は送受信アンテナ素子の36通り全て受信された。これらを解析したところ、誘電体円柱が垂直を向いている場合では、到来方向推定誤差約10°以内を達成した。また、直交偏波成分は平行偏波成分に比べ、20 dB以下のパワー減があり、偏波に関する感度が得られていることを確認した。一方、誘電体円柱が斜め45度を向いているときは、平行偏波成分だけでなく、直交偏波成分の受信電圧が大きくなることを確認した。これにより、開発したレーダでフルポラリメトリックレーダ計測ができる可能性があることがわかった。一方、クロスホール計測を行ったところ、送受信にダイポールとループを用いて、1深度で36の組み合わせで計測データを取得することができた。それらの解析を行ったところ、坑井間に斜めの物体があるとき、平行偏波成分だけでなく直交偏波成分のパワーが増加することを確認した。地層境界面からの反射波が検出され、これらは垂直偏波よりも水平偏波でよく受信されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学構内の実験場造成、レーダシステムの試作は完了し、これらを用いた実験を行い解析するところまで至ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまでに実験で見えてきた技術的な課題を克服し、本研究の総括できるよう実験データ取得、解析と考察を行う。
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Causes of Carryover |
少額な残金(2万円以下)がでたが、2019年度に無理に支出せず、次年度に持ちこすことで有意義に支出することができると判断した。
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Research Products
(2 results)