2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of theory and its code for core exciataion spectroscopies with synchrotron radiation light
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18K05027
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
畑田 圭介 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (00813700)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多重散乱理論 / MFPADs / XANES / EXAFS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シンクロトロン放射光を用いたX線内殻励起分光法のための理論の開発、および理論プログラムの開発を、本研究代表者が開発したフルポテンシャル多重散乱理論(FPMS理論)に基づき、行なった。本研究計画は、WP1:XANESプログラムの開発、WP2:X線角度分解光電子分光プログラムの開発、WP3:多重散乱理論プログラムのためのユーティリティー開発、に分割されている。 WP1では、千葉大学Kruger教授とV2O5のXANESの研究を行い、このような隙間の多い異方性の高い系では、FPMSプログラムによるフルポテンシャル計算が必要であることが確認された。その成果はPhys. Rev. Bに出版された。Teナノ粒子についても研究を行った。相対論効果については、フラスカーティ核物理研究所のNatoli氏と、カメリーノ大学のDi Cicco氏とのEXAFSに対して行った。その結果をSymmetryの特集号に投稿準備中である。 WP2については、空間に固定された入射X線の偏光角の角度平均をとった光電子角度分光(PA-MFAPDs)の研究をCO分子に対してを用いて行った。この研究において、MOLCASプログラムによって、自己無撞着(SCF)に計算されたポテンシャルの効果、そして、マッフィンティン近似を超えたフルポテンシャルの影響を調べた。これにより、PA-MFPADsにおいて、光電子の運動エネルギーが100eVにおいても、フルポテンシャルの影響が重要であることが確認された。一方SCFポテンシャルの影響はほぼみられなかった。O 1s 光電子放出において、C原子方向への強度においてのみ、その影響は見られた。これらの結果はJ. Phys. Bに出版された。 WP3については、FPMSプログラムのGUIの開発をした。empty cellの自動配置プログラムを作成し、その結果を放射光学会にて発表した。
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