2021 Fiscal Year Research-status Report
高分子・超分子内エネルギー変換過程の時間分解ベクターポテンシャル分光
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18K05047
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| Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
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Principal Investigator |
芦野 慎 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (70247435)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | Configurational Energy / Bending Modulus / Gaussian Modulus / Adhesive Energy / Force Field Spectroscopy / Atomic Force Microscopy |
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| Outline of Annual Research Achievements |
これまで得られていた、原子分解能原子間力顕微鏡(AFM)像、および、３次元力場分光のデータ解析により、以下の新たな知見が得られた。１）シリコン酸化膜表面上のカーボンナノチューブが、軸方向に沿ったUnzip化(ファスナーを開くような現象)により、ナノリボン状のグラフェンが得られる。２）上記で得られたグラフェン・ナノリボン表面は長辺方向に沿って一様な曲率を有しており、曲率はブリッジ状の断面の頂点で最も小さく、シリコン酸化膜表面との境界部に向かうほど大きくなる。３）曲率の異なる単層のカーボンナノチューブに対する解析結果より、表面の曲率を正確に求める手法を昨年度までの研究成果で明らかにしていたので、その手法を上記試料に適応し、グラフェン・ナノリボン表面の局所的な曲率を正確に導き出すことに成功した。４）曲率変化とグラフェン表面の吸着エネルギーとの関係からグラフェンの曲げ弾性(Bending Modulus)を求めることに世界で初めて成功した。５）AFM探針先端と試料表面との間の引力相互作用により突起状構造物が得られることを見出すと共に、その形成エネルギーの導出に成功し、形成エネルギーと局所的な曲率との関係から、ガウス弾性(Gauusian Modulus)を導き出すことに世界で初めて成功した。以上の研究成果より、「Configurational (Strain) Energy」の導出に世界で初めて成功するとともに、その成果をまとめた論文は掲載雑誌の出版月の注目論文としてエディタに選出された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、シリコン酸化膜上に形成されたフレーク状、および、リボン状のグラフェン表面について原子間力顕微鏡による構造観察と共に、ケルビンプローブ法を用いた表面電位の画像化を行っている。先の研究で得られたグラフェンの力学特性では、グラフェン表面上に突起状の構造物が容易に形成されることを示唆していたが、実際の観察でこれを裏付ける結果が得られている。また、それらについての表面電位測定により、当初予想していなかった非常に興味深い結果が得られてきている。そのため、それらの結果について論文発表を行うため、データ解析とまとめの作業に時間を割いているため、計画当初に予定していたベクターポテンシャル測定にはまだ至っていない。しかしながら、将来の環境型デバイス開発のための貴重なデータが得られており、また、装置の立上げ作業は進展していることから、総合的には順調に進展しているものとみなすことができる。
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| Strategy for Future Research Activity |
シリコン酸化膜表面上のグラフェン構造について原子間力顕微鏡とケルビンプローブ法による表面電位の画像化についてデータを蓄積し、論文発表を行うとともに、得られた結果について、ベクターポテンシャル測定を実行する。これまでの結果を基にして、測定プログラムの条件設定を煮詰めて、より効率的な測定が行えるようにする。その上で、これまで立上げ作業を行ってきた原子間力顕微鏡装置に適用し、より高い空間分解能と測定精度が得られるように測定パラメータの設定を行っていく。
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| Causes of Carryover |
論文発表のための予算を計上していたが、投稿料がかからなかったため、その分の予算を次年度に繰り越すこととなった。次年度ではその分を計測用のソフトウェアの改良、および、試料調整用に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
