2019 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical Studies on Role of Enzymes in Regioselective Biosyntheses of Natural Products
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18K05072
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
森 聖治 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (50332549)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | QM/MM計算 / 酵素 / 反応機構 / 分子動力学シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、今年度生化学的に重要で、プロスタグランジンF2合成酵素と同じアルドーケト還元酵素に分類され、部位特異的突然変異に関する実験データ豊富な3α-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(3α-HSD3)について検討した。この酵素は、臨床検査において胆汁酸の測定で用いられるほか、この酵素が欠損した場合、副腎不全及び外性器異常を起こすとされている。X線結晶構造解析の報告を利用して、この3α-HSD3と基質(5α-ジヒドロテストステロン)の複合体に関する分子動力学シミュレーションを行った後、量子力学計算と分子力学計算のハイブリッド法であるQM/MM計算を用いて、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を補酵素とした場合の反応の原系、還元反応の遷移状態、還元体生成物(3α-アンドロスタンジオール)の構造を求めた。量子力学(QM)領域としては、基質、NADPHと、反応に関与するチロシン55ほか、10アミノ酸残基を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロスタグランジンF2合成酵素の反応経路については、X線結晶構造解析以外、酵素反応速度、部位特異的突然変異の実験データがあまりなかったので、妥当性を検討することは困難であったが、3α-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(3α-HSD3)触媒の反応については、X線結晶構造解析、酵素反応速度、部位特異的突然変異の実験データが報告されているので、ターゲットとして妥当であると考え、ターゲットを変更した。これに関しては、QM/MM計算において、反応前駆体、遷移状態、生成物が求められ、道筋がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、3α-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(3α-HSD3)触媒の反応について、QM/MM計算の初期状態である分子動力学シミュレーションの異なるスナップショットの検討、部位特異的突然変異体の検討を行い、来年度までには論文執筆、学術誌への投稿までに至りたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、研究の進捗と情報収集のための、研究打ち合わせ旅費(オーストラリア)で支出した一方、岡崎国立研究機構の高速計算機サーバーを使用することができ、備品代としての計算機を使用することがなかった。2020年度においては、成果発表旅費と、データ解析と成果発表・論文発表のためのコンピュータを購入する予定である。
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Research Products
(12 results)