2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Nanographene-Organic Hybrid Materials
Project/Area Number |
18K05085
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関谷 亮 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00376584)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノグラフェン / グラフェン / グラフェン量子ドット / 超分子化学 / 高分子材料 / 発光性材料 / キラリティー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はナノグラフェンを用いた発光特性の制御と非結合性分子間相互作用を利用したナノグラフェンの集合挙動の制御を行なった。 発光特性に関しては,電気化学的に応答が可能な有機置換基を合成し,それをナノグラフェンのエッジ部分に導入した。得られた化学修飾ナノグラフェンの発光挙動や電気化学的応答を調査した結果、いくつかの有機置換基について良好な結果が得られた。具体的には酸化還元活性な有機置換基を持つ物を導入したナノグラフェンは、主として近赤外領域において電気化学的に吸収帯の変化が確認された。吸収帯の位置や変化の程度はこれまでの有機化合物のそれと異なることがわかった。その背景について密度汎関数法等を用いて調査した結果、ナノグラフェンと有機置換基同士の相互作用が原因であることがわかった。今後、得られたナノグラフェンの薄膜を作成し、エレクトロクロミック性能につて調査を開始する予定である。 ナノグラフェンの集合挙動を制御することで分子性化合物と同様な集合体構造の形成と新たな物性の発現が期待できる。その目的を達成するため,長鎖アルキル基を主体とした有機置換基をナノグラフェンのエッジ部分に導入し、様々な有機溶媒に可溶化させた。分光学測定を行ったところ、化学修飾ナノグラフェンは溶媒依存的に集合・解離を起こすことを見出した。具体的には、低極性溶媒中ではナノグラフェン同士が自己集合することで積層構造を形成し、比較的極性が高い溶媒中では分散した状態になることがわかった。この集合体構造について原子間力顕微鏡で観察したところ、超分子ポリマーと考えられる集合体の形成が確認された。この研究成果をもとに今後ナノグラフェンワイヤーと円偏光発光ナノグラフェンへの展開を行う予定である。 2018年度からの研究活動により、ナノグラフェンの発光性能の制御および集合体形成の制御に成功し、当初の研究目的を達成したと評価できる。
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Research Products
(19 results)