2021 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Phosphindolizine Derivatives
Project/Area Number |
18K05090
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
津留崎 陽大 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40623848)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ホスファフェナレン / 三次元π共役化合物 / リン / 閉環メタセシス / ナフタレン / 発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにジベンゾホスフィンドリジンおよびナフタレン縮環ホスフィンドリジン誘導体の合成を行い、その構造と性質を明らかにしてきた。ナフタレン骨格の縮環部位を、合成が達成された1,2位もしくは2,3位ではなく、1,8位とすると構成骨格を六員環のみとなる新たな含リン縮環π共役化合物を構築することが可能である。そこでそのような分子の開発に取り組んだ。 既知の8-ブロモ-1-ナフトアルデヒドから3段階を経てオレフィン部位を二か所有する1-ホスファフェナレン誘導体を合成した。その後、ホスフィンドリジン合成において適用した閉環メタセシス反応を行うことにより、環縮合位にリン原子を有するπ共役拡張ホスファフェナレンを12%の収率で得ることに成功した。得られた化合物は、各種スペクトル測定により同定した。ジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、399, 365, 348 nmを極大とする吸収が観測された。399 nmの最長吸収波長は、1,2位でナフタレンが縮環したホスフィンドリジン誘導体(434 nm)よりも短波長側に観測されたものの、リン原子が外周部にある1-ホスファフェナレン誘導体(337 nm)よりも大幅に長波長シフトすることが分かった。理論計算により、HOMO-1、HOMO、LUMOの軌道は、いずれも分子骨格全体に拡がったπおよびπ*遷移であることが分かった。また、溶液中では微弱な黄色発光を示した。極大波長を567 nmとするブロードな発光スペクトルを与えるとともに、発光量子収率は1.7%であることが分かった。
|