2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of figure-of-eight shaped catalyst and synthesis of ladder molecules
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18K05093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 公輔 東京工業大学, 理学院, 准教授 (30579313)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大環状分子 / 8の字分子触媒 / 共有結合性二重鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、8の字分子触媒の大環状部位(シクロドデカフェニレン)の合成における環化反応の条件検討を行い、単離収率を向上させるとともにOHやNH2基で内部官能基化された一連の誘導体の合成に成功している。また大環状部位の外側にあるCl基をBpinへと変換させることにもできており、8の字構造構築に向け内部と外部を修飾できる大環状部位を確立できている。今年度はまず、2つの大環状部位をスペーサーで連結させ8の字構造の構築を目指し検討を行った。スペーサー部位として、触媒部位を導入できると考えられるカルバゾールとベンゼンを選択した。スペーサー部位のジハロ化合物と2つの大環状部位を鈴木カップリングさせ8の字構造の構築を目指したところ、ベンゼン環で連結された8の字構造の構築に成功し、各種NMR測定や質量分析により同定することができた。一方で、反応効率は満足のいくものではなかったが、これはBpin周りの嵩高さのためと考えた。Bpin周りの嵩高さを落とした大環状部位を再度設計し合成することでいくらか反応効率を改善することができたが、引き続き条件検討を行う予定である。8の字構造を構築できたので続いて、触媒部位の探索を行った。まず、アジドとアルキンに付加環化反応やアルキンどうしのホモカップリングを触媒する銅触媒に着目し、8の字分子の中央にアミン配位子を導入することとした。続いて導入する配位子としてその有無で反応がきれいON/OFFできるアミン配位子を探索したところ、目的にあう配位子を見出すことができた。その配位子を有するジハロベンゼン誘導体と大環状部位をカップリングさせることで配位子部位を有する8の字分子を合成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8の分子触媒前駆体といえる、2つの大環状部位の中央に配位子部位を有する構造を構築できたことから研究は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は8の字触媒の前駆体の構築に成功した。今後は、本研究の目的達成ために、大環状部位への鎖状分子の導入を検討していきたい。まず既に合成できているOH基を内部に1つ有する大環状部位への鎖状分子の導入を検討したい。OH基を足がかりに後で開裂可能な反応により軸分子を導入することで貫通構造を形成した後、鎖状分子を導入する予定である。その後、軸分子と環を開裂させ、鎖状分子が自由に動けるようにする。その際鎖状分子が抜け落ちないようにエンドキャップ部位も検討する予定である。これらの工程を確立した後、8の字分子触媒への軸分子の導入と連結反応を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、大スケールでの実験も増えてきたものの前年度までに合成したものの誘導化や修飾が多かったため、一から試薬や溶媒を揃える必要がなく、助成金の使用がおさえられた。年度途中での研究場所の異動もあり研究設備を整えている段階で、そこで助成金を使用することを予定している。
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Research Products
(6 results)