2020 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Helix Pyrene Circularly Polarized Luminescent (CPL) Materials Responsive to External Stimuli
Project/Area Number |
18K05094
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
今井 喜胤 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80388496)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 円偏光発光 / CPL / 磁気円偏光発光 / MCPL / ピレン / ペプチド / キラル / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分子カスタマイズ性の高い光学活性なペプチドおよび面不斉パラシクロファンに着目し、発光性ピレン部位を導入することにより、光学活性な各種ピレン有機発光体の開発を行った。 これまでのペプチド-ピレン有機発光体では、有機溶媒中のみの利用であった。そこで、ペプチド有機発光体の生体方面への応用を期待し、ペプチド主鎖に水溶性アミノ酸であるアルギニンユニットを導入することで水溶性を向上させた、ペプチド-ピレン有機発光体の開発に成功した。興味深いことに、ピレンユニット間のメチレンスペーサー数を変化させることにより、水中でピレンユニット由来のエキシマー円偏光発光(CPL)を発現するとともに、メチレンスペーサー数が奇数、偶数間でCPL符号の反転に成功した。 続いて、ペプチド主鎖中のピレンユニット間に2-アミノイソブタン酸(Aib)ユニットを導入したAibペプチドーピレン有機発光体の合成に成功した。Aibペプチドは、1つのペプチド中に6つのピレンユニットを導入することができ、Aibペプチドでは、凝集体を形成することなく、CPLを発現した。これは、Aibユニットの持つ立体障害が、ピレンユニット同士の相互作用を阻害することで、凝集体形成を阻害したと考えられる。 最後に、より剛直な面不斉パラシクロファンを用いた、パラシクロファンーピレン有機発光体の開発に成功した。同発光体において、基底状態と励起状態での符号の反転が観測されたことから、ピレンエキシマー発光由来でのCPL特性は、光学活性部のキラリティーのみが起因するのではなく、分子間ピレン配向によっても、CPLの回転方向が制御できることを見出した。
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Research Products
(7 results)