2021 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of asymmetric Pictet-Spengler reaction and total synthesis of d-tubocurarine
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18K05104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上西 潤一 大阪大学, 薬学研究科, 招へい教授 (50167285)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Tetrahydroisoquinoline / Aminoarylation / C-N bond formation / Neutral conditions / Promotor free reaction |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はツヅラフジ科の天然アルカロイド化合物として知られているdーツボクラリンを含むクリン類について、その基本骨格合成のテトラヒドロイソキノリンをPictet-Spengler 反応を用いて不斉合成することである。この研究過程でβーフェネチルアミンをアルデヒドとアルコール性溶媒中室温で混ぜるだけで目的のテトラヒドロイソキノリン骨格が構築されることを成果として得ることが出来た。この二分子間におけるアミノ基、芳香環およびアルデヒドとの三官能基連結反応は通常これまでの常識からは、中間に存在するイミンがブレンステッド酸やルイス酸などのプロモーターによりイミニウムイオンを介して求電子的な芳香族置換反応が起きるとされてきた。教科書にも掲載されているこれまでの常識がプロモーターの存在なしに、芳香環部位に電子豊富なフェノール類を用いることにより、イミンと芳香環が極めて温和な中性条件下に分子内炭素炭素結合反応を起こし、簡単にテトラヒドロイソキノリン骨格が形成されることを見出すことができた。 一方このPictet-Spengler反応の重要性は脳内の活性アミンであるドーパミンの反応への展開に期待された。実際にドーパミンを水中で水溶性アルデヒドと反応させるとテトラヒドロイソキノリン環が、室温数時間で形成されることを見出すことが出来た。このin vitroにおける水中Pictet-Spengler反応はトリプタミンにも適応されることが確かめられた。この結果は、脳内での活性生体アミン類とアルデヒドやケトンとの同反応により生成するテトラヒドロイソキノリンやβーカルボリン類がin vivoにおける脳内疾患の発生の理解に繋がる可能性を示している。
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Research Products
(2 results)