Outline of Annual Research Achievements |
光増感剤存在下、ニトロン、鎖状 α,β-不飽和イミド、イミンを求電子剤、N,N,N',N'-テトラアルキルジアミノメタン、N,N-ジアルキルアニリンを α-アミノアルキル前駆体として用いる複数の新規光付加環化反応を開発できた。 【成果1】紫外光照射、ベンゾフェノン存在下、ニトロンとジアミノメタンの形式的 [3+3] 光付加環化反応を開発し、非常に報告例が少ないが創薬化学的な利用価値が期待できる飽和複素環式化合物 1,2,5-オキサジアジナンの光化学的合成を達成した (ChemPhotoChem, 2020, 4, 388, 内表紙採択)。2-アザアリリラジカルカチオンは捕捉できなかったが、1H NMR により反応中間体の構造解析に成功した。 【成果2】新規可視光応答型イリジウム錯体光増感剤を開発し、鎖状 α,β-不飽和イミドと N,N-ジアルキルアニリンとの形式的 [3+3] 光付加環化反応を進行させることができた (Chem. Eur. J. 2021, 27, 5171, 内表紙採択)。 【成果3】芳香族イミンとN,N,N',N'-テトラメチルジアミノメタンの形式的 [3+2] 光付加環化反応による、イミダゾリジンの光化学的合成法を開発した (論文執筆中)。 【成果4】 鎖状 α,β-不飽和イミドと N,N,N',N'-テトラアルキルジアミノメタンの形式的 [3+2] 光付加環化反応を開発し、本反応を用いる PDE-IV 阻害剤ロリプラム誘導体を合成した (論文執筆中)。 【成果5】 成果1の 1,2,5-オキサジアジナンの合成では、新規可視光応答型イリジウム錯体光増感剤を用いることにより大幅な収率向上とニトロンの基質一般性の向上を達成することができた。得られた 1,2,5-オキサジアジナンの受容体拮抗試験を行ったところ拮抗作用が観られた (論文執筆予定)。
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