2022 Fiscal Year Annual Research Report
Highly selective synthetic methods using asymmetric synsthesis and ring-opening of highly multi-substituted D-A cyclopropanes as key steps.
Project/Area Number |
18K05120
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西井 良典 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (40332259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シクロプロパン / 高エナンチオ選択的 / 高ウィルス活性 / 全合成 / 軸不斉 / 中心不斉 / 不斉変換 / 不斉転写 |
Outline of Annual Research Achievements |
高光学純度D-A シクロプロパンを高エナンチオ選択的に合成し、合成した高光学純度D-A シクロプロパンを用いて以下の3つの研究に展開し成果を出した。 (1) 有機分子触媒による不斉シクロプロパン化および不斉転写を伴うシクロプロパン開裂環化を鍵反応とする生物活性リグナンアミドの最初のエナンチオ選択的全合成を達成した。また、合成化学的根拠に基づいて開環環化の真の反応機構はSN1 機構で進行し、立体反発に起因して高選択的にトランス体を与える。隣接基関与がある場合、2回の SN2 反転を経由してシス体を低収率で与えたが、トランス体が主生成物であった。 (2) 有機分子触媒による不斉シクロプロパン化、Pd-C 触媒による接触水素添加条件での還元的開環および高立体選択的脱炭酸を鍵反応とする4種の生物活性リグナンの不斉全合成を達成した。ニランシンについては、合成した両対掌体を用いた生物活性試験の結果、B型肝炎ウィルスに対しては両対掌体が同等の抗ウィルス活性を示し、インフルエンザウィルスに対しては (-)-ニランシンのみが高い抗ウィルス活性を示した。 (3) 中心不斉を有する光学活性シクロプロパンから軸不斉のみを有する光学活性1―アリールナフタレンへの不斉変換が高い不斉伝搬率で進行することを見出した。まず、中心不斉から中心不斉への不斉転写により光学活性シクロプロパンから高eeの1-アリールジヒドロナフタレンを与え、続くDDQ による脱水素芳香族化により1―アリールナフタレンを高eeで与える。他の方法では難しいとされるオルト位アルコキシ基を有する基質でも高eeを実現した。
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Research Products
(4 results)