2020 Fiscal Year Annual Research Report
Energy Storage Devices based on Proton-Electron Synchronized Movements on Coordinated Ligands in Metal Complexes
Project/Area Number |
18K05155
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
芳賀 正明 中央大学, 理工学部, 名誉教授 (70115723)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ルテニウム錯体 / レドックス活性配位子 / インジゴ / プロトン共役電子移動 / ベンズイミダゾールキノン / 二酸化炭素還元反応 / 酸化還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
錯体上でのプロトンと電子の連動移動可能なレドックス活性配位子として、インジゴおよびベンズイミダゾールキノンを導入した新規ルテニウム錯体を合成し、その酸化還元挙動およびCO2分子などの小分子の活性化について検討した。 インジゴ(N^O)を二座配位子とする混合配位子型錯体[Ru(N^N^N)(N^O)X](N^N^N = ビス(N-メチルベンズイミダゾリル)ピリジン;X= MeCN,ピリジン, tBuNC, CO)を合成した。Ar雰囲気下でのCV測定から、6段階の1電子移動過程が起こり、錯体内での酸化還元サイトを同定した。また、Ar雰囲気下からCO2雰囲気下に切り替えると、錯体とCO2分子の相互作用によるCO2還元を確認した。補助配位子がX=MeCNでのCO2還元での主生成物はH2であるが、X=COではCOまたはHCOOHとなり、反応に差が出てくることが分かった。 次に、ベンズイミダゾールキノンを導入した二座配位子2-ピリジル)イミダゾールベンゾキノン(pimQ)および三座配位子2,2´-(2,6-ピリジンジイル)ビス(ベンズイミダゾールキノン) (bimQ)をもつRu錯体を合成した。 bimQ二座配位子をもつ[Ru(bpy)2(bimQ)]はbimQがキノン型となると発光が消光されるが、bimQH2とヒドロキノン型では発光が観測された。また配位したヒドロキノン型は酸素によりキノン型に変換可能であることが分かった。ベンズイミダゾールキノン錯体はチオール類とMichael付加反応を起こし、その付加体の構造を明らかにした。三座混合配位子型錯体 [Ru(N^N^N)(bimQMe)]では、二電子還元によって生じるセミキノンラジカルが不均化反応を起こすことを明らかにした。キノン配位子上での還元により、二酸化炭素がセミキノンラジカルと付加体を形成して二酸化炭素を捕捉することが分かった。
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