2019 Fiscal Year Research-status Report
High Performance Analysis of Biomacromolecules by combining organogel electrophoresis and on-line sample preconcentration techniques
Project/Area Number |
18K05162
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北川 文彦 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20362452)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 分離分析 / 電気泳動分析 / オンライン試料濃縮 / グラジエント溶離 |
Outline of Annual Research Achievements |
試料リザーバーから目的成分を供給しながらカラム全体に注入した試料溶液も濃縮するLVSEP-FASI法と非水系溶媒を用いるキャピラリーゲル電気泳動 (NACGE法) を組み合わせるため,キャピラリー電気泳動における検討を行った。はじめに比較のために水系においてLVSEP-FASIの濃縮性能を検討したところ,注入側の落差15 cm・濃縮時間0.5 minとしたとき,従来のNACGE分析と比較して2600倍の高感度化が達成された。次にメタノール系においてLVSEP-FASI分析を行ったところ,落差10 cm・濃縮時間5 minで濃縮率は14000倍と向上したが,ポリマーの溶解度が悪く,NACGE分析へ展開できなかった。そこでメタノール-DMSO混合溶媒系について検討したところ,0.1% HPMCを溶解でき,20% DMSOを用いると141000倍と非常に高効率な濃縮を達成した。これは20% DMSOの添加により粘性が適度に上昇したことやEOFが効果的に抑制されたことを反映して,試料のピーク広がりが抑制されたことで高い濃縮率が得られたものと考えられる。一方,NACGEとグラジエント溶離の結合について,カチオン性金属錯体の分析を可能とする新規グラジエント剤を探索した。これまでに有効性が明らかとなっているマロン酸を基準とし,種々の有機酸を検討したところ,ホウ酸がより有効であることが明らかとなった。これは,ホウ酸は糖のようなポリオール化合物と強い相互作用することが知られており,PVAとも強く相互作用した結果であると考えられる。以上の結果より,DMSO-メタノール混合溶媒とホウ酸を組み合わせることで,LVSEP-FASI-NACGEによる高感度かつグラジエント溶離を結合した高性能分離の実現の可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に記載したLVSEP-FASI-NACGE法の開発,NACGE-グラジエント溶離法の開発のいずれも順調に進展しているため
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,LVSEP-FASI-NACGE法の進展ならびにNACGE-グラジエント溶離法の生体分析への応用を目指して研究を進めていく。
|
Causes of Carryover |
前年度に購入予定だった高速CCDカメラの購入を断念したため,今年度使用額が生じており,有機溶媒の購入などに回して使用を進めていたが,次年度使用額が生じてしまった。この金額をすべて次年度の消耗品費(試薬費)に回すことで,研究のさらなる進展を図る。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 超微量分析入門2019
Author(s)
井上満, 植田郁生, 齊戸美弘, 高橋隆子, 深澤亮一, 堀江正一, 北川文彦, 竹内豊英
Total Pages
200
Publisher
オーム社
ISBN
978-4274700859