2018 Fiscal Year Research-status Report
optical waveguide spectroscopy for liquid/liquid interface studies using liquid-core/liquid-cladding optical waveguides
Project/Area Number |
18K05164
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
角田 欣一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (30175468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 弘樹 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80397603)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 液/液光導波路 / 液液界面反応 / 混じりあう溶媒系 / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では,4つのテーマについて検討を行う予定である.すなわち,I)LLWのキャラクタリゼーション手法の高精度化とその評価,II)LLWの錯形成反応観察への応用,III) LLWにおける反応物の拡散係数の効果の検討,IV) LLWの酸化還元反応観察への応用,である.本年度は,このうち,I)~III)の3テーマについて検討を行った.まず,I)とIII)に関しては,最も拡散係数が大きく反応速度定数も大きな反応例である酸塩基中和反応を例にとり,励起光(レーザー光)を側面から入射する方式について詳しく検討を行うとともに,その実験結果とCFDシミュレーション結果との比較検討を行った.その結果,当初は,両者は一致しなかったが,プローブに使用したpH 応答蛍光色素(フルオロウラシル)の酸解離と,空気中の二酸化炭素の影響を補正することにより,両者の良い一致が得られた.これは,励起光の側面入射方式の実験方法,CFDシミュレーション手法,両者の信頼性を支持する結果と考えられる.また,II)については,コア溶液にAl3+水溶液,クラッド溶液にルモガリオン水溶液を用いることにより,LLW中のコアとクラッドの界面付近で起こるAl3+とルモガリオンの錯形成反応を,生成する1:1錯体の蛍光を利用して観測することができた.また,実験結果はCFDシミュレーションともよい一致を示した.今後は,Al3+と錯形成するシュウ酸などの有機酸の効果などを詳しく検討し,スペシエーション分析への応用の可能性を検討していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
I),Ⅲ)の酸塩基中和反応において,実験上の問題点(プローブに使用したpH 応答蛍光色素(フルオロウラシル)の酸解離と,空気中の二酸化炭素の影響)に気づき,その対処法を開発できたことは今年度の大きな進歩と考えられる.この結果は,CFDシミュレーションの信頼性を実証し,同時に,実験面でもLLWにおいて乱流などの影響を受けずに理論通りの現象が見られていることを支持する結果と考えられる.今後,本法の解析を行う上での基礎となる実験結果と考えられる.また,II)についても,基礎的な実験条件を確立することができた.従って,VI)の酸化還元反応に関しては着手できなかったものの,研究はおおむね順調に進行しているものと評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度およびこれまでの実験結果から,LLWの反応解析について,CFDシミュレーションの信頼性が確かめられたため,今後,さらに,本手法をベースにII)~IV)の検討を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
当初,本年度中にIV)の酸化還元反応への応用に関する実験の実施も計画し,LLW実験装置の組み立てを計画したが,この実験を次年度以降に先送りしたため,予算がなされなかった.また,着手できなかった理由は,I),II)の酸塩基中和反応の解析に手間取ったためである.来年度以降,IV)の実験を実施するにあたり,装置の製作などに使用していく予定である.
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