2022 Fiscal Year Annual Research Report
Rapid preparation of highly functionalized biomonolithic stationary phases by microwave synthesis
Project/Area Number |
18K05168
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
リム リーワ 岐阜大学, 工学部, 教授 (80377689)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロ波合成 / ワンポット反応 / 迅速調製 / 磁性ナノ粒子 / 有機金属構造体(MOFs) / コアシェル型 / ナノ固相抽出剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
液体クロマトグラフィーにおいて,これまでの分離カラムは,担体に数ミクロンの微粒子が用いられてきた。粒子充填型カラムにおいて分離性能を向上させるには粒子径をより小さくする,あるいは,カラムを長くするといった方法が挙げられ,多くの研究者が充填剤のサイズを減らすことで短時間かつ高効率を得てきている。しかし,粒子間の隙間が小さくなるとカラムの背圧が高くなるといった問題が生じるため,より高性能なモノリス型カラムが注目を浴びている。
モノリス型カラムを調製する際,通常はカラムに前処理を施し,カラムに固定相を固定させるための二重結合を導入する。しかし,前処理には一般的に数時間から数十時間程度かかり,手間や時間がかかる。また,加熱炉を用いる外部加熱方式では作製されるモノリスのポアの均一性に限界がある。近年では合成化学において,マイクロ波を照射することにより,反応時間の大幅な短縮や,副反応が抑制され収率が向上する事が報告されている。しかしながら,マイクロ波加熱のメカニズムは長く議論されており,それは現在まで続いている。
今年度は,第三級アミノ基結合型有機ポリマー系イオン交換モノリスやポリエチレングリコール結合型有機ポリマー系モノリスおよび有機金属構造体(MOFs)コアシェル型モノリスの作製および実験条件の最適化を行った。従来法に比較して合成時間が約1/10に短縮することができ,また高い収率で固相抽出剤を得ることができた。得られた結晶を走査型電子顕微鏡,X線回折法,BET比表面積により確認・比較した。マイクロ波で合成した場合は,粒子径が減少したことがわかった。これはオートクレーブによる加熱(従来法)はマイクロ波による加熱より核形成が緩やかで,少数の核がより大きく成長したと考えられる。今後は加熱時のマイクロ波の出力と前駆溶液の組成割合を検討する予定である。
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