2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Miniaturized Separation/Extraction Media with Braided Filaments
Project/Area Number |
18K05169
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
齊戸 美弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00303701)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 組紐 / 細繊維 / 試料前処理 / 分離カラム / 二次元クロマトグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、耐熱性・耐溶媒性を有する合成細繊維の束をキャピラリー内部に組紐状に配置した、新規な試料抽出媒体ならびにクロマトグラフィー用の分離固定相を開発した。それぞれ数百本の細繊維から形成される細繊維束を組紐状に編み上げ、その際に組紐内部に形成される空洞部分に他の素材を導入した。組紐の構成要素として細繊維束を導入することにより、編み上げ後の組紐表面の平滑性を確保できるほか、キャピラリー内部へ充填時の空体積を大幅に低減できる一方で、多数の細繊維による大きな総表面積を確保できることから、多様な選択性を有し、抽出性能に優れた試料前処理媒体が開発できた。 1 [組紐作製条件の最適化と抽出キャピラリーの評価] 合成細繊維の束を数本程度組合せて組紐を作製し、溶融シリカなどのキャピラリー内へ充填することにより高性能な試料前処理媒体を開発した。組紐内部に形成される空間に金属線を導入して、抵抗加熱型の試料抽出キャピラリーも開発した。モデル水試料を抽出キャピラリーに通液した後、微量の有機溶媒等を用いて脱着させて、抽出キャピラリーの性能評価を実施した。ステンレス等の金属線を内部に入れた組紐型媒体では、その金属線に自作電源装置から発生させた微弱電流を通電することにより、抵抗加熱脱着の条件についても検討した。 2 [分離媒体としての可能性の検討と評価] 組紐型の抽出媒体を充填したキャピラリーは、クロマトグラフィーの分離媒体としても機能することが予想されることから、第一選択としてガスクロマトグラフィーの充填キャピラリーカラムを作製し、その実用可能性についても検討した。 3 [二次元分離インターフェイスとしての可能性の検討] 内部に金属線を入れたタイプは、二次元クロマトグラフィーのインターフェイス、すなわちモジュレーターとしての応用可能性が想定できることから、新規モジュレーターとしての検討も実施した。
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