2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K05175
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山田 和彦 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (80373380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅人 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 上級研究員 (60392015)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゴム / 硫黄 / 固体NMR / 架橋構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ゴムの架橋構造において主要なスルフィド結合(モノ、ジ、ポリ)を有する有機硫黄化合物(架橋構造のモデル化合物)を対象とした硫黄NMR測定を実施し、それらNMRスペクトルの観測とシミュレーションプログラムを活用したスペクトル解析に成功した。共有結合性を示す含硫黄化合物の硫黄NMR測定の実施例は皆無であるため、本研究で得られたNMRパラメータの妥当性を慎重に議論した。得られた硫黄NMRパラメータとX線で得られた分子構造(特にスルフィド結合の二面角)との間に明確な相関を見出すことができた。この相関関係を利用することで、ゴムの架橋構造に関与する硫黄原子の定量解析と立体構造解析が可能になることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ゴムの架橋構造のモデル化合物である有機硫黄化合物に対する硫黄NMR測定に、世界で初めて成功した。得られたNMRパラメータは文献と比較することは不可能であったが、量子化学計算の結果を参考に詳細に検討した結果、矛盾のない実験結果であることが判明した。これら情報は今後の解析に重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、モデル化合物とゴムに対して硫黄NMR測定を実施し、包括的にゴムの架橋構造を理解したいと考えている。
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Research Products
(10 results)