2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of charge state of dominant extracted species in ionic liquid extraction of metal ions
Project/Area Number |
18K05183
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
平山 直紀 東邦大学, 理学部, 教授 (20260557)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | イオン液体 / 金属イオン / 分配平衡 / イオン交換平衡 / 立体障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
錯形成を用いる金属イオンのイオン液体への抽出に際し,分配平衡とイオン交換平衡の優劣を支配する因子,すなわち優先抽出種を支配する因子を系統的に評価するという観点から,以下の研究を実施した。 1.1価2座配位子2-メチル-8-キノリノールを用いる3価13族金属イオンのイオン液体キレート抽出における優先抽出種の評価: 立体障害によりアルミニウム(III)と1:3錯体を形成しにくい2-メチル-8-キノリノールを抽出剤としてイオン液体へのキレート抽出を試みたところ,アルミニウム(III)やガリウム(III)では1:2陽イオン錯体が抽出種となるのに対し,よりイオンサイズが大きく立体障害が起きにくいインジウム(III)では陽イオン錯体の抽出は見られないという知見が得られた。さらに,学会発表における議論を参考にし,論文執筆のためのデータ確認を行った。 2.1価2座配位子8-(p-トルエンスルホンアミド)キノリンを用いる3価13族金属イオンのイオン液体キレート抽出における優先抽出種の評価: かさ高いp-トルエンスルホニル基が直接窒素ドナー原子に結合している8-(p-トルエンスルホンアミド)キノリンを抽出剤としてイオン液体へのキレート抽出を試みたところ,イオンサイズの大きなインジウム(III)で1:2陽イオン錯体が抽出種となるという新たな基礎的知見が得られた。 3.その他,これまで検討を進めてきた系について,論文執筆のためのデータ再確認を行った。
|