2020 Fiscal Year Annual Research Report
Rapid and highly sensitive determination of fatty acids in human blood by multistep reactive pyrolysis
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18K05186
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
石田 康行 中部大学, 応用生物学部, 教授 (70273266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 大介 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (70434553)
岩崎 雄吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50273214)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / 反応熱分解 / 血清 / DHA / EPA |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、昨年度の構築した化学反応場を高分解能GCと連結し、その計測システムを利用して実際の血清試料(1マイクロリットル)の分析を行った。その結果得られたクロマトグラム上には、パルミチン酸やステアリン酸などの飽和脂肪酸に加えて、アラキドン酸(C20:4)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)のような多価不飽和脂肪酸(PUFA)成分も約30分以内の測定時間でもってはっきりと観測された。そこで、これらのピーク強度から、n-3とn-6系列のPUFAの比率(n-6/n-3比)を算出した。得られた測定値は従来法による値と非常に良好な相関(決定係数は0.9994)を示した。さらに、本手法によるデータの相対標準偏差は7 %以下(n = 5)となり、検体間での脂肪酸組成の差異を評価するにあたって十分な再現性を得ることができた。以上のように、本手法により、わずか1マイクロリットルの血清に含まれるEPAやDHAなどのPUFA成分の化学組成を約30分という比較的短時間で簡便に分析することを可能にした。 さらに、この方法論に、初年度に開発した2段階式の反応熱分解を採用することにより、脂肪酸類を形態別に検出することも試みた。ここでは、ステップ1では、遊離脂肪酸のメチル化のみを引き起こす酢酸テトラメチルアンモニウム(TMAAc)を、また、ステップ2ではエステル結合の加水分解とそれに引き続くメチル化反応の双方を誘起できる水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を選択した。その結果、糖尿病のマーカーとして利用が期待される、遊離型の脂肪酸成分をエステル型の成分を区別して、検出することに成功した。さらに、得られたピーク面積を基にして、一連の脂肪酸成分を形態別に定量することも可能になった。
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Research Products
(9 results)