2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of an enzyme-linked immunosorbent assay for depression biomarker ethanolamine phosphate
Project/Area Number |
18K05188
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
齋田 哲也 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (80419621)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エタノールアミンリン酸 / 酵素免疫測定法 / うつ病 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、うつ病のバイオマーカーとして期待されているエタノールアミンリン酸(EAP)の特異的かつ簡便な酵素免疫測定法を開発することを目的としている。実験計画書通りにEAPに架橋剤であるピロメリット酸無水物を反応させ架橋し、EAPが導入された部分を強く認識する特異抗体を作製することを試みた。すなわち、EAPにピロメリット酸無水物を反応させ、これをウシ血清アルブミンと結合させ、EAP抗原を作製した。これをマウスに免疫後、抗血清を得た。得られた抗血清の抗体力価や特異性を検討した結果、EAPに対する特異抗体は得られなかった。その理由として、架橋剤として使用したピロメリット酸無水物の分子サイズが大きいため、EAPではなくピロメリット酸無水物に対する抗体が産出されたためと考えられた。そこで、新たな架橋剤である4-maleimidobenzoic acid N-hydroxysuccinimide ester (MBS)を用いて、抗原を作製し、マウスに免疫後、抗血清を得た。得られた抗血清の抗体力価や特異性を検討した結果、EAPに対して高力価で特異的な抗体が得られた。次にEAP抗原と同様な作製方法により、EAPとペルオキシダーゼ(HRP)複合体すなわち酵素標識体を作製した。得られたEAP抗体とHRP標識を使用し、マイクロプレートを用いた酵素免疫測定法の開発を試みた。現在の所、バッファー及び細胞培養液中のEAP濃度8 ~ 1000 ng/mlを再現性よく、測定できる酵素免疫測定法の開発に成功した。EAPの血中濃度は、数百ng/mlで推移することから、十分に臨床応用可能な感度であった。今後は、生体内試料(血清、尿、唾液)中のEAP濃度を測定できる至適条件を確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画書通りにEAP抗原をピロメリット酸無水物を用いて作製し、これをマウスに免疫後、抗血清を得た。得られた抗血清の抗体力価や特異性を検討した結果、EAPに対する特異抗体は得られなかった。そこで、試行錯誤を繰り返し、架橋剤であるMBSを用いることで、EAPの特異抗体を得ることに成功した。この過程で、当初予定していた計画より、やや遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたEAP抗体とHRP標識を使用し、マイクロプレートを用いた酵素免疫測定法の開発を試み、バッファー及び細胞培養液中のEAP濃度8 ~ 1000 ng/mlを再現性よく、測定できる酵素免疫測定法の開発に成功した。今後は、生体内試料(血清、尿、唾液)中のEAP濃度を測定できる至適条件を確立する。さらに、開発した酵素免疫測定法の特異性を確認するために、既に確立されているEAPの特異的な測定法であるHPLC法と本法とのEAP定量性の比較実験を行う。ここまでの成果を論文として報告する予定。また、キット化の開発のため、EAPのモノクローナル抗体の作製も試みる。
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Causes of Carryover |
プレートリーダーが当初予定していた購入価格(669,600円)よりも低価格(594,000円)で購入できたため。
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