2019 Fiscal Year Research-status Report
水しか副生しない環境調和型化学プロセスを目指したゼオライト触媒に関する研究
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18K05200
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小村 賢一 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40377685)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゼオライト触媒 / コア-シェル触媒 / モルデナイト / 新規ゼオライト |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果より、高活性および高選択性を示すゼオライト触媒として、7Å程度の1次元細孔構造を有するゼオライトが良い事が分かった。今年度は、この結果を踏まえ、AFIトポロジー構造を有するSSZ-24ゼオライトについて、新しい合成法の検討および触媒反応への応用を試みた。SSZ-24ゼオライトは、スパルテイン誘導体から簡便に調整できるゼオライトであるが、スパルテインが入手できないため、代替の合成法の検討を行った結果、以前、我々の研究室で見出した手法が適していることが分かった。触媒反応への応用を試みたが、当初の見解とは異なり充分な触媒活性および選択性を発現しなかった。理由としては、触媒活性点となるアルミニウムの含有量が影響していると考えられるため、継続してSSZ-24ゼオライトについて行う予定である。また、本研究の最初で高活性、高選択性を示したモルデナイトについては、アルミ含有部をコア、外表面を触媒不活性なシリカで覆った、コア-シェル型モルデナイト触媒の合成検討を行っており、現在、外表面のコーティングについて、合成の最適化条件を検討している。 ゼオライト合成の際に、予備的な合成を行ったところ、予想に反して新規骨格構造を有するゼオライトが合成できた。さらに検討した結果、新規ゼオライト2種類、新規多孔質結晶2種類の計4種類の新規材料の創製に成功した。ゼオライト科学において、新規ゼオライトは最重要研究課題であるため、12月に行われたゼオライト研究発表会にて発表を行い、若手優秀講演者賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゼオライトの合成に苦戦したため、当初の予定より遅れている感がある。しかし、年度末に的確な合成法を見出している事から、研究成果に期待はできる。また、合成研究の際、新しいゼオライトを2種類合成する事ができたため、その手法による検討を行ってみた結果、さらに2種類、合計4種類の新規多孔質結晶の合成を行う事ができたため、本研究以降は、この手法による合成検討に主軸を移していこうと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究展開としては、SSZ-24ゼオライトおよびモルデナイトについて、高活性および高選択性を発現するための触媒デザインと反応条件の最適化を継続して行う。また、新しく見出したゼオライト合成による新規多孔質材料合成について、今後の研究展開に期待して予備的な知見を得るべく検討を行う。
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Causes of Carryover |
年度末に予定していた粉末X線回折装置の修理を、新型コロナウィルス感染拡大防止のため次年度に持ち越したことにより差額が生じた。次年度早々に予算執行計画に沿って実施が可能である。
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Research Products
(3 results)