2018 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性ブロック共重合体の自己組織化に立脚した精密集積型発光マテリアルの創出
Project/Area Number |
18K05212
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中林 千浩 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 助教 (30613765)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発光材料 / 両親媒性ブロック共重合体 / リビングラジカル重合 / 凝集誘起発光 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
発光性分子は、有機エレクトロニクスやバイオイメージング医療など様々な次世代分野の実現に必須な機能性分子である。発光性分子に第一に要求される特性は、高発光性である。しかし、従来の発光性材料は希薄溶液状態(非凝集状態)では高発光性を示すが、固体状態(凝集状態)で著しく発光性が低下してしまうことが多い。分子状態に依存した発光特性は、発光性分子の高性能化と多用途化を妨げる要因になっており、この欠点を抜本的に解決した発光性材料の開発が切望されている。 申請者は、前述の欠点解決のアプローチとして、凝集誘起発光性(Aggregation-Induced Emission: AIE)構造に着目した。AIE構造は、希薄溶液状態では発光性を示さないが、固体状態で発光性を発現する特異的な構造である。このAIE構造の凝集構造を分子内部に固定化することができれば、分子そのものの非凝集/凝集状態に関わらず常に高発光を実現できると考えた。本研究では、AIE構造を持つ両親媒性ブロック共重合体の自己組織化と選択的カップリング反応の簡便one-pot実施により、内部にAIE構造を固定化した発光性コア-シェル型ナノ粒子の開発に取り組んだ。 AIE性テトラフェニルエチレン(TPE)誘導体を側鎖に持つ疎水性ブロックとポリエチレングリコール(PEG)誘導体を側鎖に持つ親水性ブロックから成る両親媒性ブロック共重合体をリビングラジカル重合法によって合成した。重合条件の最適化によって、任意の分子量とブロック組成比を持ち、かつ分子量分布の制御された目的のブロック共重合体の合成に成功した。得られた両親媒性ブロック共重合体を原料として、自己組織化と選択的カップリング反応のone-pot実施を行うことで、目的の発光性ナノ粒子の合成が期待できる。
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