2018 Fiscal Year Research-status Report
アライン間の分子内連鎖反応を利用した一方向巻きヘテロヘリセン型ポリマーの合成
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18K05220
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
横山 明弘 成蹊大学, 理工学部, 教授 (50343637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 智之 成蹊大学, 理工学部, 助教 (80582973)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アライン / アミド / ヘリセン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、オリゴマーおよびポリマーに塩基を作用させてアラインを発生させ、そのアライン間を結合させることによって一方向巻きのヘテロヘリセン型のオリゴマーおよびポリマーを得る手法を開発することと、得られた化合物の物性を明らかにすることである。 本年度は研究計画に従って、モデル化合物を用いたアラインの反応を検討した。2-アミノイソ酪酸のアミノ基をBoc基で保護した後に、カルボキシル基をメチルエステル化し、N-メチル化の後に加水分解してカルボン酸に戻した。次にアニリン誘導体との縮合反応を検討したが、脱Boc化反応が進行したため、目的物の収率が低かった。そこで2-アミノイソ酪酸のアミノ基の保護基を種々検討した結果、いずれの保護基を用いても縮合反応時に保護基の脱離が起きた。そのため合成ルートを変更し、アミン前駆体としてアジドを用いることにした。2-ブロモイソ酪酸にナトリウムアジドを作用させた後に塩化チオニルを作用させて酸クロリドに変換し、それとN-アルキル化した2-ブロモ-4-アミノベンズアミドと縮合させた。アジドを還元し、得られたアミンをN-アルキル化して、目的とするモデル化合物を得た。 次にモデル化合物に塩基を反応させ、アラインの発生と分子内反応の検討を行った。塩基としてカリウムヘキサメチルジシラジドやリチウムヘキサメチルジシラジド、n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムを用いた反応を検討したところ、いずれも目的の分子内反応が進行した化合物は得られずに、転位した副生成物や、アミドが切断された副生成物が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル化合物の合成までは、ほぼ予定通りに進んだ。現在、モデル化合物を用いた反応検討において、目的とする反応が進行しない状況であるが、反応条件の検討や、ベンゼン環をつなげる官能基を変更する事によって、いずれ解決できると思われるため。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、モデル化合物を用いた反応の検討を続ける。塩基の種類や、その他の反応条件を検討し、目的とする反応が進行するかどうか確認する。 いずれの反応条件でも目的とする反応が進行しなかった場合は、オリゴマーやポリマーにおいてベンゼン環をつなげる結合をアミド結合以外のものに変えて同様の検討を行ない、目的の反応が進行しやすい骨格を探す。
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Causes of Carryover |
非常に小額の助成金が残ったため、当該年度中に無理に使うよりも、次年度に繰り越して使うほうが、研究費として効率的に使えると考えたため残した。 翌年度の予算と合わせて、研究遂行のために使う予定である。
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