2019 Fiscal Year Research-status Report
アライン間の分子内連鎖反応を利用した一方向巻きヘテロヘリセン型ポリマーの合成
Project/Area Number |
18K05220
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
横山 明弘 成蹊大学, 理工学部, 教授 (50343637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 智之 成蹊大学, 理工学部, 助教 (80582973) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アライン / アミド / ヘリセン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、オリゴマーおよびポリマーに塩基を作用させて発生させたアライン間で結合を形成させることにより、一方向巻きのヘテロヘリセン型のオリゴマーおよびポリマーを得る手法を開発することと、得られた化合物の物性を明らかにすることである。 前年度はモデル化合物を用いたアラインの反応を検討した。その結果、芳香族アミド結合を有する化合物にアラインを発生させると、目的とする反応以外に副反応が起こることを明らかにした。 そこで本年度は、一方向巻きのヘテロヘリセン型オリゴマーを別途合成し、その物性の解明を目指した。まず芳香族アミド化合物の芳香環の間の結合形成反応を効率的に進めるための反応条件を解明するために、ヨウ素とメチル基を有する4-アミノ安息香酸の2量体をモデル化合物として合成し、分子内ビアリール化を検討した。その結果、高収率で目的物を得る反応条件を見出した。次に本研究の目的物の一つである[7]ヘリセン類似体を合成するために、ヨウ素とメチル基を有する4-アミノ安息香酸の直鎖3量体を合成し、[7]ヘリセン類似体への変換を検討した。、その結果、目的物を得ることはできず、副生成物として環状物が得られることを明らかにした。この副生成物の構造は、最終的に単結晶X線解析により明らかにした。そこで環状物の生成を抑えるために、末端のベンゼン環にメチル基を導入した直鎖3量体を合成した。[7]ヘリセン類似体への変換を目指して反応条件を種々検討した結果、低収率ながら目的とする[7]ヘリセン類似体を得ることができた。[7]ヘリセン類似体の構造は、最終的には単結晶X線解析により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル化合物を合成し、それを用いて反応条件の検討をするところまでは予定通りにすすんだ。当初、目的とする反応が全く進まなかったが、モデル化合物の構造を変えることにより、反応を進めることができた。しかし、副反応を防ぐことができず、反応を高効率で進めるための反応条件を現在検討中であるため、やや遅れているとした。 一方、別途合成により、目的とする化合物を合成することができたため、化合物の物性解明の研究は予定通りに進むと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル反応を利用して、分子骨格を構築する際に用いる化学結合の種類の検討を、効率よく目的の反応を進めるための反応条件の検討を行う。 ヘリセン類似体の各種物性の解明を行う。 [7]ヘリセンのアミド結合を他の結合に変換し、物性を比較する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染防止などのため、年度末に予定していた出張が中止になり、助成金が残った。しかし当該年度中に無理に使うよりも、次年度に繰り越して使うほうが、研究費として効率的に使えると考えたため残した。翌年度の予算と合わせて、研究遂行のために使う予定である。
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Research Products
(3 results)