2019 Fiscal Year Research-status Report
Photo-responsive structural color on self assembly of giant block copolymer
Project/Area Number |
18K05238
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
金 善南 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (00612532)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 構造色 / ブロック共重合体 / アゾベンゼン |
Outline of Annual Research Achievements |
ミクロ相分離するブロック共重合体(BCP)の自己組織化による周期長構造体の形成は興味深い現象であり、BCPの分子量制御により周期長及び形状が制御できます。本研究では可視光を回析するような巨大周期長を有する両親媒性のBCPの合成に注力しました。既報によれば分子量20-100kg/molにより20-50nm程度の周期長を有する周期構造体を得られます。可視光領域の構造色を得るには100kg/mol以上の高分子量のBCPを合成する必要があるが、直鎖高分子の場合では分子鎖が長くなるほど反応性は低下し粘度は高くなるため高分子量の重合体の合成や相分離構造は容易ではありません。そのためBCPの周期長を拡張する工夫が必要となります。本年度は、巨大分子量の長い相分離時間を短縮するため、分子運動性が高い溶液中のBCPミセルの自己組織化を利用した3次元周期構造体の作製を目指しました。コアー部間の距離を光波長にすることで、構造色が発現できると思いました。具体的に、分子量を制御したポリスチレンとポリビニルピリジンからなる共重合体を合成し、さらにピリジンポリマーは四級化により親水性をもたらしました。電荷を持たせることで静電的な反発力により水溶液中でポリマー鎖が拡張します。従って、ポリスチレン疎水性コアーが一定の距離を保ち、周期構造を形成することができます。例えば、水中で最大に伸びた親水性高分子鎖が周期長となる際に、周期長に比べ格子点(凝集した疎水性部位)の体積は非常に小さくなります。例えば、格子点の直径が10 nmであれば体積は0.0001%程度になるため、Bragg反射光以外の波長においてほぼ透明であり、クリアな反射光が期待できます。また、刺激応答性アゾベンゼン基を疎水性部位に導入する際に、ごくわずかな濃度で構造色が制御できると期待します。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポリスチレンとポリビニルピリジンからなる共重合体を合成した。望ましくない凝集体の形成を防ぐため、ポリスチレンの溶解度を段階的に変えるため、ジメチルスルフォキシドから、イソプロピルアルコール、メタノールと順番に溶媒交換させい、分散液を作製した。また、ヨウ化メチルを用いピリジンポリマーの四級化し、水分散液を得た。四級化してないBCPポリマーは1週間程度で完全に沈殿ができたことに対して、四級化したBCPは分散状態を維持することができ、安定したミセルを形成した。 分散液の濃度を変えて、構造色が発現するかを確認した。しかし、構造色は確認できなかった。しかし、BCPミセル分散体は透明ではなく、乳液のように白くなっていたため、凝集体が存在すると予想する。SEMとTEMにより、ミセル構造を観察した結果、ミセルのサイズ分布が大きいことと、凝集体を見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
凝集体の存在やミセルサイズのバラつきの原因として、完全な四級化反応ができてなかったことや高分子が凝集しやすい構造であることが考えられる。従って、共重合体の重合条件の再検討により、親・疎水性バランスを見直すことと、相分離条件の検討を見直す方針である。 ミセル構造色が得られたら、疎水性部にアゾベンゼン基を導入し、構造色の光応答性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
成果が遅れのため、積極的な研究発表ができなかったため、旅費の支出がなかったので、次年度使用額が生じた。次年度に引き続き合成するため、必要な薬品や器具を購入と、旅費に予算を当てる予定である。
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Research Products
(4 results)