2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on omeration mecanism of low-voltage organic field-effect transistors and its application to development of sensing device
Project/Area Number |
18K05256
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
酒井 平祐 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (30580401)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 有機エレクトロニクス / 有機トランジスタ / 溶液プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究目的は、5 V以下の低電圧で駆動する有機電界効果トランジスタ(Organic Field-Effect Transistor, OFET)駆動原理を解明すること、並びにOFETが多数基板上に並んだトランジスタアレイ作製やセンサへの応用であった。 一昨年度より、研究代表者の所属が変わったため素子作製の環境が変わった。その結果として、低電圧で駆動するOFETの作製条件の再構築をするための予備実験に多くの時間を費やすこととなり、実験は当初予定したほどは進めることができなかった。 前者の駆動原理の解明に関しては、現段階では結論は得られていない。これは、コロナウィルスの感染拡大の状況を鑑み、他組織への出張が制限されたため予定していた装置を使った分析に取り組めなかったことによる。このテーマについてはコロナ禍が落ち着いてから再度取り組もうと考えている。特に絶縁層や半導体層のトラップ密度の定量的評価と動作特性の相関解明に焦点を絞って、学内予算などを使いながら取り組んでいく予定である。 一方で、トランジスタのアレイ化に向けては一定の進捗があった。現状の研究環境において、OFETの作製条件の再構築には目処がたった。しかしながら、従来のスピンコート法による製膜では高価な有機半導体材料の利用効率が悪いという問題があるため、新たな方法を模索しながら検討を進めることとした。これまでに有機半導体材料を製膜する方法として報告例のある溶液噴霧による方法やメニスカスを用いた方法を参考に、製膜方法を改良してOFETの作製を進めている。特に後者では、新規製膜法の確立に成功し、その奉納により製膜した膜を用いたOFETの駆動にも成功した。この技術を応用して、今後アレイ化やOFETの応用展開を進めていくことを計画している。
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