2019 Fiscal Year Research-status Report
Next generation OLED using the fluorescence via higher-triplets mechanism
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18K05261
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 徹 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 教授 (70303865)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 有機EL / 発光分子 / 振電相互作用 / 振電相互作用密度 / 輻射遷移 / 無輻射遷移 / 熱活性型遅延蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
高効率青色発光する長寿命の有機EL 素子の実現は依然として重要な課題であり、その実現には基礎理論からの再検討が必要である。外部量子効率を決める因子のうち発光分子の設計に関わる因子である蛍光量子収率と励起子利用効率は、振電相互作用密度の概念により制御可能である。申請者は第四世代の新しい発光機構を提案している。これは高次三重項経由蛍光(FvHT)機構と呼ばれ、高次三重項状態からの逆系間交差を経由して一重項状態に転換し蛍光発光させるものである。本研究でFvHT 機構による発光分子を発光層に含む高効率青色有機EL 素子を実現することを目指し、FvHT 機構の可能性のある公知の発光分子やホスト材料分子の励起電子構造と振電相互作用の解明を通じて、励起子間相互作用における振電相互作用をも考慮に入れて、発光分子とホスト分子の両方を適切な組み合わせとして新規に設計することを目的とする。 令和元年度は、青色発光有機EL 素子でしばしば用いられる公知のホスト材料10種について、励起状態の振電構造について解析を行い、機能発現に有効な高次三重項状態を特定し、公表されている高効率有機EL素子の高効率発光の起源を明らかにした。 また、線幅の狭い発光スペクトルを有するDABNAのEL機構がFvHT機構であることを明らかにし、それが分子構造のトポロジーに由来するものであることを見出した。 基礎的知見として、凝集誘起発光が凝集相での分子間配向による振電構造の差異により説明できることも見出している。 さらに、FvHT機構でのELが期待される2つの発光分子を新規に設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は新規発光分子の設計に注力したため、ホスト材料についての検討やroll-offの原因の究明を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、新規発光分子の設計を続け、さらに新規ホスト材料の設計やroll-offの原因の究明を行い、高効率青色発光する有機EL 素子の実現を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、予定されていた学会が中止になったり、消耗品の納期が年度内に間に合わなかったためであり、終息後に執行する。
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Research Products
(13 results)