2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of thermochemical/photochemical hybrid water splitting process for hydrogen production
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18K05292
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| Research Institution | University of Toyama |
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Principal Investigator |
萩原 英久 富山大学, 研究推進機構 水素同位体科学研究センター, 准教授 (30574793)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 水素 / 水分解 / 光触媒 / 熱化学水素製造 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヨウ化水素（HI）水溶液からの水素生成反応に高い活性を示す半導体光触媒材料の探索および貴金属助触媒によるHI光分解活性の向上効果について検討した。
光触媒材料の探索については、水分解用光触媒の研究において高い活性を示すことが報告されているd0電子状態のTi4+を有する遷移金属酸化物を中心に検討し、SrTiO3が比較的良好な活性を示すことが分かった。SrTiO3については、従来の研究でロジウム添加により可視光下で良好な光触媒活性を示すことが報告されていることから、第９族元素であるコバルトやロジウム、イリジウムをSrTiO3に添加し、HI光分解活性に与える影響を調べた。その結果、可視光照射下ではロジウム添加SrTiO3のみがHI光分解反応に活性を示すことが明らかとなった。また、反応器をバッチ式から流通式に変更し、定量が難しかった気体状ヨウ素を定量できるようにしたことで、水素とヨウ素の生成比を化学量論に近づけることに成功した。
貴金属助触媒による活性向上効果については、従来の研究で用いた貴金属助触媒を担持したKTaO3を用いて検討した。様々な貴金属微粒子をKTaO3の助触媒として用いたところ、PtやPdなどが高い触媒活性の向上効果を示した。これらの助触媒は、水電解用の電極触媒の研究において、水素生成過電圧を低減させる効果が高いことが報告されている。一方、同様に高い電極触媒活性が報告されているRhやIrを担持したKTaO3は、低いHI光分解活性を示した。これらの触媒について反応後の溶液に対する助触媒成分の溶出量を調べたところ、溶出量の多い助触媒ほど触媒活性の向上効果が低いことが分かった。以上の結果から、HI光分解に用いる光触媒の助触媒には、水素生成過電圧の低減に加えて、HI水溶液に対する耐久性も重要な因子であることが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標はHI光分解反応に活性を示す光触媒の探索と、本反応における助触媒効果に関して重要な因子を明確にすることであった。光触媒の探索では可視光下でHI光分解反応が高選択率で進行する光触媒を見出しており、貴金属助触媒を用いた活性向上効果の検討からは、水素生成反応の過電圧を低減し、かつHI水溶液に対する耐久性が高い助触媒が活性向上に有効であることが確認できた。よって、本年度の目標をおおむね達成できたことから、区分としてはおおむね順調に進展しているに該当すると考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画は以下のように実施する予定である。
HI光分解による水素生成については、現在検討しているTi系複合酸化物に加え、Nb5+やGa3+、Ge4+等のd0、d10電子状態の遷移金属を含む複合金属酸化物等を適用するとともに、活性を示した半導体に対して異種金属カチオンやアニオンをドープすることで、電荷濃度や光吸収特性、表面構造を変化させ、光触媒の更なる高活性化を検討する。また、助触媒についてはHI水溶液に対する耐久性の向上を目的として合金助触媒やコア－シェル助触媒等を調製し、水素生成反応の過電圧低減効果について電気化学測定により検討するとともに、助触媒成分の溶出量の低減効果を調査する。
また、本研究における重要な反応である硫酸分解による酸素生成反応についても反応装置を作成し、光エネルギーを硫酸分解反応に利用する光アシスト効果を検討する。高い活性を示した触媒に対してIn-situ FT-IR測定を行い、硫酸光アシスト分解の反応機構について調べる。
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| Causes of Carryover |
年度末に参加予定の国内学会を体調不良により急遽キャンセルしたため、旅費の分が次年度使用額として生じてしまった。
今後、同規模の国内学会に参加し、研究成果の報告と情報収集のための費用として使用する計画である。
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Research Products
(8 results)
