2021 Fiscal Year Annual Research Report
Searching for bioactive compounds from marine organisms at Ehime prefecture
Project/Area Number |
18K05336
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
倉本 誠 愛媛大学, 学術支援センター, 准教授 (50291505)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 海洋天然物化学 / 構造解析 / デプシペプチド / 生理活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では愛媛県の沿岸、特に佐田岬を中心に海洋生物の採集を行い、海洋生物の二次代謝産物の探索と物質解析研究を実施してきた。本年度も、採集時期に感染症拡大により県内移動が制限されたため、新たな対象生物の採集を実施することは出来なかったが、これまでに採集し冷凍保管した海洋生物を対象として研究を実施した。 今年度は、赤色のイシカイメンを中心に、分離と分析を実施した。非常に水溶性が高く、同族体と色素成分の分離に時間を要したが、HPLCカラムの組み合わせを工夫することで、ジアステレオマーを含む環状のデプシペプチド数種を単離することに成功した。本化合物は、塩素原子の結合したプロリン環、およびチアゾール環構造を有する新規な構造を有するデプシペプチドであった。マーフィー法によりアミノ酸の立体化学を確認したのちに、分解反応と誘導体化によって残された立体化学の解明を進めている。本化合物は水溶性が非常に高いことから、分離初期の水溶性画分に注目をして研究を行うことで、さらなる類縁体を発見も達成している。これら一連の化合物は、トレオニンチロシン由来の共通のチアゾール環構造を有していた。連続する二つの官能基の立体化学が未定であり、NMRにおける結合定数と、DFT計算により解析を進めている。また、分解反応と構造変換により、低極性溶媒への溶解性を向上を行っている。他の化合物にも応用可能な結晶スポンジ法への展開を進めている。
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