2019 Fiscal Year Research-status Report
モリアオガエル泡巣(卵塊)の精密解析:泡立ち機能成分の同定・最適化
Project/Area Number |
18K05346
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
茂里 康 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90357187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上垣 浩一 近畿大学, 農学部, 教授 (00356544)
絹見 朋也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90293125)
稲垣 英利 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90344126)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モリアオガエル / 泡巣 / 次世代シーケンサー / プロテオーム解析 / エドマン分解 / ミトコンドリア / 輸卵管 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画が採択された直後の2018年の5月に、産総研から和歌山県立医科大学に異動した。その頃はモリアオガエルの産卵期であり、泡巣の採取時期であったが好機を逃したため、開始が数か月遅れた。しかし、2019年の春から初夏にかけての泡巣及び成体メスの採取時期は、順調に実験が進展した。その結果、泡巣の生体分子の精製・LC-MSによる解析。均一精製を行ったタンパク質分子のエドマン分解によるN末端配列解析の実施。泡巣を精製せずに、還元アルキル化・プロテアーゼによる切断・プロテオーム解析を行った。同時に並行して、モリアオガエル成体メスの輸卵管(産卵前後)及びコントロール組織として皮膚の発現遺伝子の次世代シーケンサーによるRNA-Seq解析を行なった。LC-MS・エドマン分析・プロテオーム解析・次世代シーケンサーのデータをマッチングする事により、約40種類の泡巣のタンパク質成分の分子同定ができた。血球系や酸化ストレスに関与するタンパク質分子が単離できている。またミトコンドリアのDNA配列は、生物の分子進化を考える上で、重要な遺伝子情報である。次世代シーケンサーを用いて、これまで未報告であったモリアオガエルのミトコンドリアDNA配列の解読を行った。現在アノテーションを実施し、全長の配列解読を継続実施している。また台湾には、泡巣を産生するアオガエル科は少なくとも5種類、R. arvalis, R. aurantiventris, R. moltrechti, R. prasinatus, R. taipeianus、が生息している。その内4種類は台湾の法律により保護されているが、台北市立動物園・両生爬虫類館で飼育・保護されている。台北市立動物園の研究者とメール等で共同研究の実施に合意した。またプロテオーム解析に関しても、長庚大学(台湾・桃園市)の研究者と共同研究に合意している。春には台北市立動物園・長庚大学を訪問予定であったが、新型コロナの一件で訪問を延期している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画が採択された直後の2018年の5月に、産業技術総合研究所から現在の所属の和歌山県立医科大学・医学部に異動した。ちょうどその頃は、モリアオガエルの産卵期であり、泡巣の採取時期であったが、その好機を逃したため、開始が数か月以上遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
立案した研究計画に基づき研究を実施する。約40種類の泡巣のタンパク質成分の分子同定ができた。血球系や酸化ストレスに関与するタンパク質分子が単離できている。そこでそれらの分子の機能解明を実施したい。また日本の南部(沖縄)や台湾には、泡巣を作るアオガエル科のカエルが数種生息している。法律で保護されている種類もあるが、将来的にこれらのカエル由来の泡巣についても生体分子の解析を実施したい。
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Causes of Carryover |
研究推進が遅れたため。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Mass spectrometry analysis and biological characterization of the venom and venom sac components of the predatory ant Odontomachus monticola.2019
Author(s)
Tani, N., Kazuma, K., Ohtsuka, Y., Shigeri, Y., Masuko, K., Konno, K., and Inagaki, H.
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Journal Title
Toxins
Volume: 11
Pages: E50
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Autoactivation of C-terminally truncated Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase (CaMK)I delta via CaMK kinase-independent autophospholation.2019
Author(s)
Akizuki, K., Kinumi, T., Ono, A., Senga, Y., Osawa, J., Shigeri, Y., Ishida, A., Kameshita, I., and Sueyoshi, N.
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Journal Title
Arch. Biochem. Biophys
Volume: 668
Pages: 29-38
DOI
Peer Reviewed
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