2018 Fiscal Year Research-status Report
Chemical biology regarding the effect of an algae growth factor (thallusin) in order to provide a novel cultivation system for sea vegetable
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18K05365
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山本 博文 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (70461366)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サルーシン / ジピコリン酸 / 緑色蛍光化合物 / 光親和性プローブ / 遊走子 |
Outline of Annual Research Achievements |
採択された研究課題の目的は次に示す2つに大別される【目的1】分類や培養・養殖条件に関わる新たな指標として,藻類の成長促進因子サルーシン(非)依存性をゲノム解析できるようにするため,【目的2】サルーシンによって引き起こされる一連の藻類発生・成長カスケードを分子生物学(遺伝子学)的見地から解明するために,藻類成長促進因子サルーシンの標的タンパク(結合タンパク)を特定する。そのための基礎的研究および実験として平成30年度に実施した内容は以下の2つ(工程① アオサノリおよびマキヒトエの遊走子抽出物の調製)と(工程② 磁性ビーズ等に担持したサルーシンの合成)である。したがって、工程①、②ごとにその実績を報告する。工程① アオサノリおよびマキヒトエの遊走子抽出物の調製については、平成30年度、徳島県竹ケ島、沖縄県本土、久米島に自生するアオサノリを採取し、その有性生殖株の葉体から配偶子を単離した。そして、それぞれを接合した胞子(接合胞子嚢)から無菌的に遊走子を採取し、静置培養することに成功した。 工程② 磁性ビーズ等に担持したサルーシンの合成においては、アフィニティー樹脂に担持するための前駆体合成に取り組むことで、ジピコリン酸由来のピリジン環のメタ位に、テザー分子となる鎖状化合物の導入に成功した。一方で、光標識化合物の合成を見据えて、光親和性プローブを新たにデザインし、BeMeS-p-A由来の新規緑色蛍光化合物の合成を達成した。また、その蛍光化合物の蛍光、励起スペクトルを測定し、ストークスシフトの観点から有用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
工程① アオサノリおよびマキヒトエの遊走子抽出物の調製においては、当初から平成30~31年度の期間を設けて、アオサノリおよびマキヒトエの遊走子抽出物を調製する計画である。平成30年度は、計画どおりに進行し、各地で採取した全てのアオサノリ自生株から、遊走子を採取することに成功した。 工程② 磁性ビーズ等に担持したサルーシンの合成においても、サルーシン分子プローブの合成に必須な鍵中間体の部分合成に成功した。当初の計画とおりに、順調に進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度も当初の予定どおりに研究を実施する。工程① アオサノリおよびマキヒトエの遊走子抽出物の調製においては、平成30年度に採取した遊走子を使って大量培養をおこなった後、それらから再度採取した純度の高い遊走子を使って、アフィニティー試験に使用するホモジネート分画を調製する。工程② 磁性ビーズ等に担持したサルーシンの合成においては、平成30年度に合成が完了した鍵中間体を使用して、磁性ビーズ担持型サルーシンおよび蛍光ラベル化したサルーシンの合成を達成する予定である。
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Research Products
(5 results)