2018 Fiscal Year Research-status Report
微生物を利用した新規ナノ半導体合成法の開発とその光および電気制御
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18K05391
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野尻 正樹 大阪大学, 理学研究科, 講師 (20333346)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脱窒 / 環境浄化 / バイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,低毒性半導体量子ドットを微生物が持つ導電性ナノワイヤー(鞭毛)を介して付着させ,その微生物が持つ脱窒プロセスを量子ドットが吸収する光エネルギーとその後の電子伝達によって駆動させる系を立ち上げる事,およびその実績を作ることであり、まだ報告例のない「低毒性のカルコパイライト系半導体ナノ粒子の微生物を用いた合成方法」の確立を目指している。まず初年度は、本研究目的達成のために有用な微生物(Thiobacillus種)の培養からカルコパイライト系半導体の材料になる硫化物イオンを蓄積する条件を検討した。主に亜硫酸還元酵素活性を利用した硫酸還元系から蓄積を試みることと、電子供給源としての黄鉄鉱(FeS)から酸化反応により得る条件の2通りを試しところ、後述の方法で良好な手応えを得た。さらに、その機構に関与する酵素ならびに蛋白質の探索を行ったところ候補となる蛋白質を見つけることができた。現在、その酵素蛋白質のクローニングと大腸菌での大量発現を実施中であり、その分子構造ならびその反応性等が明らかになる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、培地中および培養菌体の懸濁液中に硫化物イオンを蓄積する条件を見つけた。さらにその蓄積に関わる酵素蛋白質候補を見つけ、その機構の分子レベルでの解明まで手が届くところに来ている。 今年度得られた知見は、次年度実施予定の半導体結晶作成のための大きな土台となる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた知見を基に、次年度は実際に半導体結晶の作成条件の検討に入る。具体的には、様々なpHおよび金属塩の量比で混和することにより、最も最適かつ有用な半導体を成り得る結晶を得る。場合によっては硫化物イオンを産生する酵素の改変も行い、より短時間でより効率よくカルコパイライト系半導体結晶が得られる方法論を開発する。さらに開発できた暁には、光により脱窒が進行する次世代環境エコバイオシステムの開発に向けた条件なども検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進展により、当初予想していた機構とは別の機構で反応が進むことが判明し、若干、予定していた実験に変更が生じたことと、次のステップへの準備および検討に時間を要したためであり本研究全体に大きな支障はなく、次年度に全額消耗品購入費用として使用予定である。
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Research Products
(1 results)