2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the dose-dependent effects of antibiotics on the cryptic secondary metabolism in actinomycetes
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18K05410
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
保坂 毅 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (50391206)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 放線菌 / 抗生物質 / 二次代謝 / リボソーム / リンコマイシン / クロラムフェニコール / WblCタンパク質 / 複製 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、抗生物質の濃度依存的作用で放線菌の二次代謝が活性化する現象を詳しく解析し、抗生物質の本質を理解すること、加えて、得られた知見に基づき、新しい二次代謝産物の発掘に向けた応用研究の新たな方向性を考案し、検証することにある。設定した3つの検討課題に対する成果を以下にまとめた。
1［抗生物質リンコマイシン（LIN）が二次代謝を活性化する仕組みの解析］: 放線菌Streptomyces coelicolor A3(2)では、二次代謝の活性化が認められる（LIN）存在下において、WblCタンパク質が高発現することを新たに見出した。このタンパク質の高発現が起点となり、WblCレギュロン遺伝子群の誘導を介した大規模な遺伝子変化で内因性の抗生物質耐性機構が稼働し、S. coelicolorはリボソームを標的とする抗生物質に対して一時的な耐性状態になることが分かった。加えて、この一連の変化で生じたリボソームの質的・量的変化が二次代謝産物生合成酵素の高発現をもたらす可能性も明らかにした。
2［リボソームを標的とする抗生物質の二次代謝活性化作用とその仕組みの解析］: クロラムフェニコール（CM）とタイロシンの二次代謝活性化作用の詳細な特性を明らかにした。少なくともCMによる二次代謝活性化の引き金因子もWblCタンパク質である可能性を実験的に示すことができた。
3［抗生物質の濃度依存的作用活用による潜在的二次代謝産物の発掘］: 放線菌の潜在的な二次代謝能を効果的に引き出す上で、DNA複製や翻訳を標的とする抗生物質の濃度依存的活性化作用の活用が有効であることを実験的に証明した。同時に、様々な放線菌を対象とした応用研究を展開する際に、本手法が煩雑な実験を必要とすることの課題を見出した。この課題の克服に向けた新たな方法論を考案し、検証したところ、今後の応用展開に活かせる重要な新知見を得た。
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