2019 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of newly idenfied glucose responsive system involving protein acetylation in bacteria
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18K05415
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小倉 光雄 東海大学, 海洋研究所, 教授 (80204163)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タンパク質分解 / 不均一発現遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 2018年のmSphere論文に報告したように、YlxRは抑制性転写因子CodYと共同で作用していると考えている。そこで、CodYとYlxRの両方に制御されている遺伝子として、RNA-seq解析でYlxRに強く抑制されている遺伝子の中からCodYにも制御されているフルクトース代謝系遺伝子frlBを取り上げた。frlBとgfpの転写fusionさらにmCherryの翻訳fusionを作成し、frlBが細胞集団の中で不均一に発現することを見出した。frlB発現の不均一度とそれに及ぼすCodYとYlxRの影響をFlawcutometryにて定量的に解析しつつあるが、ある程度の発現率揺らぎがあるので、最低各株について三回は測定する必要がある。
2) TsaDはANNコドン用tRNAのアンチコドンループ内37位のアデニンを修飾する酵素サブユニットである。大腸菌ではTsaDがピルビン酸脱水素酵素複合体(PdhABCD,ピルビン酸からアセチルCoAを生成する)のアセンブリーに関わるという報告があった。すなわち、枯草菌でもtsaDはPdhABCDによるアセチルCoA生産を通じてCshAアセチル化を制御していると考えられる。そこでPdhA遺伝子にHisタグをつけ、tsaD野生株と破壊株を用いてwestern解析した。tsaD破壊株のグルコース添加条件では、野生型に比してPdhA量が顕著に低下していた。さらに、細胞破砕液を細胞質タンパク画分、膜タンパク画分、凝集タンパク画分に分けてPdhAのwestern解析を行い、tsaD破壊株では、細胞質タンパク画分のPdhAが減少し、凝集タンパク画分にかなりのPdhAが見出された。したがって、TsaDはPdhAの正常な翻訳プロセスに関係していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TsaDタンパク質がPdhAタンパク質の翻訳プロセスに関係していることを示すことができた。また、frlB遺伝子発現の不均一性をflowcytometryにて明確に測定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ylxR 遺伝子のグルコース誘導機構を解析するために、transposon挿入変異株ライブラリを作成し、グルコース誘導が起きない変異株を検索する。得られるであろう挿入変異株の挿入遺伝子を同定し、それら遺伝子のylxRのグルコース誘導現象における役割を遺伝学的あるいは生化学的に解析する。
frlB遺伝子のFlowcytometry測定を継続して行う。
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Causes of Carryover |
消耗品費として計上していた額を下回る実績であったから。western blotや酵素活性測定のための試薬は、常に使用するためにある程度まとめて購入するので、使用料と購入量に時期的ズレが生じることはままある。もう一つは、2019年度内にOpen access journalに論文を投稿していたが、年度内にacceptに至らず、予定していた出販費用を持ち越したため。
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