2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the biosynthesis of two types of galactomannan localized at the surface layer of the cell wall of pathogenic fungi
Project/Area Number |
18K05418
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
岡 拓二 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (50510690)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖転移酵素 / 糸状菌 / ガラクトフラノース / ガラクトマンナン / 細胞壁 / 抗真菌薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
Aspergillus fumigatus は、侵襲性肺アスペルギルス症を引き起こす主要な原因となる真菌である。本真菌が産生するガラクトマンナン(GM)は,β-(1→5)-/ β-(1→6)-ガラクトフラノース (Galf) とα-(1→2)-/α-(1→6)-マンノース (Man)で構成される多糖であり、細胞壁形成における重要性により新規な抗真菌剤の標的となることが期待されている。申請者らは、GM 生合成を担う β-(1→5)-Galf 転移酵素 (GfsA) の同定に世界で初めて成功した。本研究では、機能未解明なgfsAの2つのパラログ(gfsB, gfsC)およびGM生合成に関わると考えているMan転移酵素遺伝子(cmsA, cmsB)の機能解析を進めた。まず、GfsBとGfsC がβ-(1→5)-Galf基転移酵素であることを生化学的・遺伝学的解析により明らかにした。次に,GfsAとGfsCが真菌型GMとO-マンノース型GM中の全てのβ-(1→5)-Galf残基をすべて合成していること,GfsBはβ-(1→5)-Galf転移酵素活性を有しているものの生体内ではほとんど機能していないことを明らかにした。また、CmsAおよびCmsBは真菌型GMのマンナン主鎖の生合成を担うα-(1→2)-Man転移酵素であることを明らかにした。ΔcmsA及びΔcmsB株は、菌糸伸長速度および分生子形成能が著しく低下していた。このことは、真菌型GMのマンナン主鎖が糸状菌の正常な細胞壁形成や分化に必要不可欠な多糖であることを示している。 さらに、CmsAのMn2+/GDP複合体の立体構造を1.90の分解能で明らかにした。これらの結果は、医薬品や農薬として利用できる特異的なGM生合成阻害剤を開発するための基礎情報となると考えている。
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Research Products
(3 results)