2020 Fiscal Year Research-status Report
黄色ブドウ球菌感染時に活性化し皮膚菌叢を健全化する脂質の酵素・微生物生産法の検討
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18K05426
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
永尾 寿浩 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 総括研究員 (30416309)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 皮膚細菌叢 / Staphylococcus aureus / S. epidermidis / 抗菌活性 / パルミトレイン酸 / リン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎では、皮膚上で顕著に増加するStaphylococcus aureusが炎症悪化に関与する。一方、健常者ではS. epidermidis が多く存在し、種々の有益作用(S. aureusの生育抑制など)を保持する。皮脂中にはサピエン酸(6-cis-C16:1, SA)が存在し、健常者ではSAがS. aureusの生育を抑制しS. epidermidis の生育を抑制しないことにより健全な皮膚細菌叢が維持される。しかし、アトピー性皮膚炎ではSA含量が約1/10に減少してS. aureusが増加する。本研究では、天然油脂中にないSAと同等の抗菌活性を持つ天然油脂中のパルミトレイン酸(9-cis-C16:1, PoA)を、酵素法でPoA結合リン脂質に変換する方法を検討する。 リゾリン脂質に脂肪酸(DHAなど)をエステル化させる研究は、ホルムアミドまたはグリシンを反応系内に添加する報告があることから(アミンが酵素反応に重要)、それらの手法が再現できるかどうかを調べた。70mgの大豆由来リゾリン脂質、210mgのDHA含有脂肪酸(DHA, 68%)、2gのグリセリン、150mgのグリシンまたは0.182mLのホルムアミド、40mgのホスフォリパーゼA2、マイクロLの0.3M CaCl2からなる反応液を40℃で2日間反応させた後、SEP-PACKシリカカラムでリン脂質画分を回収し、脂肪酸組成を調べた。その結果、ホルムアミド添加系ではDHA含量が17.6%、グリシン添加系ではDHA含量が13.6%となり、過去の報告が再現された。一般に、酵素はDHAに作用しづらく、C16:1などの脂肪酸には作用しやすいことから、本反応系を用いることにより、リン脂質にC16:1を導入することが可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去の報告が再現できたことから、PoA結合リン脂質の合成の目途が立ち、延長した1年間で目的が達成できそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
水添リゾレシチンにPoAをエステル化させた後、それを含む培地でStaphylococcus aureusを培養し、生育途中で菌の生育が停止するという仮説の妥当性を検証する。
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Causes of Carryover |
その他の業務(関連するが別の研究テーマ、招待講演、関連する過去の出願特許の拒絶理由通知対応(3件)など)の影響で研究を1年延長し、そこで経費を使用するため。
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Research Products
(5 results)