2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification of roles of PRMT8 with dual catalytic activity in the brain
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18K05429
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金 俊達 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (90570036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PRMT8 / アルギニンメチル化酵素 / リン脂質加水分解酵素 / 1塩基置換マウス / 内因性基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜を構成するリン脂質であるホスファチジルコリンが、リン脂質加水分解酵素(PLase)によって水解される事は、神経細胞の発達や高度に調節される神経伝達物質のバランス制御に重要である。申請者らは、脳・神経系細胞膜に限局した発現を示すPRMT8がメチル化酵素活性(MTase)に加え、リン脂質分解酵素活性(PLase)を有すること、遺伝子欠損マウスが神経細胞の樹状突起形成異常や注意欠陥・過活動を示すことを明らかにした。 これまでに、PRMT8のMTaseおよびPLaseの活性中心の配列に点変異を導入し、互いの酵素活性には影響がない変異体の作製に成功している。さらに、ゲノム編集(CRISPR/Cas9 system)を用いて1塩基を置換によるMTaseとPLase特異的不活性マウスを樹立した。また、未知であったPRMT8のMTase活性に対する内因性基質の探索により、基質として神経細胞の細胞骨格を構成するタンパク質であるneurofilament light polypeptide(NF-L)が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度の研究計画として、樹立したPRMT8のPLaseと MTase不活性マウスを用いて、コリン代謝やメチル化代謝産物の評価および、神経細胞の発達や脳機能の解析を行うことでPRMT8が有する一酵素二活性の生物学的意義の解明を目指していた。しかし、令和2年1月にて申請時の所属(筑波大学)から現所属である富山大学への異動に伴い、実験動物の移管が必要となったため、当初の研究計画よりも遅れいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に引き続き、樹立したPRMT8のPLaseと MTase不活性マウスを用いて、PRMT8を介したコリン代謝やメチル化代謝産物の評価と共に、神経細胞の発達や個体レベルでの脳機能解析を行い、PRMT8が有する一酵素二活性の生物学的意義の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
令和2年1月にて申請時の所属(筑波大学)から現所属である富山大学への異動に伴い、当初の研究計画より遅れが見込まれたため、本科学研究費補助金の最終年度を1年延長した。 令和3年度から研究実施を再開し、本科学研究費補助金による研究計画を進める。
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