2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of the regulation of vitamin B2 metabolism in plant
Project/Area Number |
18K05439
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小川 貴央 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (80603802)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ビタミンB2 / リボフラビン / 転写因子 / 輸送体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンB2であるリボフラビンを前駆体とするFADやFMNは、生物のあらゆる生理機能の根幹に関わる補酵素であるため、細胞内レベルは恒常的に維持されている。しかし、その合成/分解系制御の分子機構や輸送機構については全く不明である。そこで我々は、シロイヌナズナにおけるフラビン化合物レベルの恒常性維持に関わる新規因子を同定するために、トランスクリプトーム解析により細胞内FADレベル変化に応答して発現変動する転写因子および輸送体をコードする遺伝子を同定した。転写因子をコードする遺伝子の破壊株におけるフラビン化合物レベルについて解析した結果、1つの遺伝子破壊株におけるフラビン化合物レベルが野生株と比較して著しく減少していた。さらにこの転写因子の発現は、種々の環境ストレスに応答性を示し、本転写因子と同様にフラビン合成系遺伝子群の発現および細胞内フラビンレベルも環境ストレスにより増加した。したがって、今回同定した転写因子は、ストレス条件下のおける植物のフラビン化合物レベルの調節に関与する新規転写因子である可能性が強く示唆された。一方、フラビン応答性を示した輸送体関連遺伝子とその類似遺伝子群について、RF生合成遺伝子を欠損したRF要求性酵母を用いた相補試験を行なった。RF要求性酵母は外部から高濃度のフラビン化合物を添加しなければ生育できないが、2種類の候補遺伝子導入株は、低濃度のRF添加培地でも生育可能であった。さらに、液体培養したこれら2種類の候補遺伝子導入株にRFを添加し、経時的に細胞内RF量を定量した結果、これらの株では明らかなRFの取り込みが認められた。したがって、単離したこれらの輸送体候補遺伝子は植物のフラビン化合物輸送体であることが強く示唆された。
|
Research Products
(3 results)