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2021 Fiscal Year Research-status Report

生体認識配糖体生産のための特異的糖鎖遊離酵素の構造解析とその機能開発

Research Project

Project/Area Number 18K05444
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

伊藤 和央  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (20183171)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords生体認識配糖体 / エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ / 立体構造
Outline of Annual Research Achievements

2020年度の研究において、我々が発見したPrevotella melaninogenica の産生すエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼPM(エンドPM)の3つのアイソザイムのうち、エンドPMα遺伝子の発現系を構築し、遺伝子組換えエンドPMαを発現し、各種カラムクロマトグラフィーによって遺伝子組換えエンドPMαを精製した。そして、得られたエンドPMαの結晶を用いて、つくば高エネルギー加速器研究機構においてX線結晶回析測定を行った。そして、2.1オングストロームの分解能でフルデータを収集した。
本年度はこの回折データを用いて、エンドPMαの立体構造の精密化を行い、立体構造を明らかにした。その結果、エンドPMαは5つの異なるドメイン構造によって形成されるマルチドメイン構造をとることを明らかにした。N末端側からドメインI~Vとした。ドメインIは(α/β)8バレル構造で、触媒部位構成アミノ酸としてアスパラギン、グルタミン酸およびチロンシンの存在を特定し、触媒ドメインであることを明らかにした。また、ドメインII~Vは異なるβバレル構造であることを明らかにした。さらに、ドメインIVは他のGHF85酵素には存在せずエンドPMαに特有であることを見出した。また、ドメインVは外膜移行モチーフで構成されていることから、エンドPMαの菌体外膜移行に関与するドメインであることを明らかにした。
さらに、明らかにしたエンドPMαの立体構造をもとに基質となるアスパラギン結合型糖鎖とのドッキングモデルの構築を行い、コンプレックス型糖鎖が触媒反応に適した位置に結合したモデルを得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、コロナ禍のため研究時間が制限され、予定していた研究をすべて行うことができなかった。しかし、昨年度の研究によって得られたエンドPMαのX線結晶回析データをもとに、本年度はエンドPMαの立体構造の精密化を行い、エンドPMαの立体構造を解くことができた。
その結果、エンドエンドPMαは5つの異なるドメインから構成されていることを明らかにすることができた。そして、各ドメインの特徴と基質糖鎖の認識部位の解析を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

2020年度の研究において、明らかにしたエンドHSの立体構造を構成するドメインの機能を解析する。また、本酵素と基質糖鎖の共結晶化の条件を検討し、酵素・基質複合体の結晶を調製する。得られた酵素・基質複合体のX線結晶構造解析を行い、エンドHSの糖鎖認識・結合部位と触媒部位を特定する。こうして、エンドHSの糖鎖認識および水分子認識に関わる構造上の特徴を解明し、エンドHSの触媒部位、糖鎖認識・結合部位および加水分解・糖鎖転移部位を特定する。
また、エンドPMαを用いた生体認識配糖体の合成と得られた生体認識配糖体の構造および機能解析を行う。
これらの知見をもとに、遺伝子改変によって糖鎖転移合成型酵素を作成し、生体認識配糖体合成率を検証する。また、合成した生体認識配糖体の構造と機能を解析する。さらに、糖鎖認識改変型酵素の作成と各種生物期限糖タンパク質糖鎖の転移導入と糖鎖転移合成型酵素によるバイオ医薬品糖鎖のリモデリングを検証する。

Causes of Carryover

今年度も引き続きコロナ禍による研究制限があったため、予定していた研究を行うことができず、使用した試薬や実験器具の量が減った。このため、これらの購入に充てる経費が少なくなり、次年度使用が生じた。
これは、次年度にエンドHSにおける酵素・基質複合体の調製とそのX線結晶構造解析のための経費に充てる。また、エンドHSの各ドメインの機能解析のために必要な物品の購入に充てる。さらに、エンドHSのドメインを改変し、糖鎖転移合成酵素に改変るための研究経費に充てる。また、エンドHSおよび糖鎖転移合成酵素に改変したエンドHSを用いた生体認識配糖体の合成とその構造解析のための物品の購入に充てる。
さらに、エンドPMαの立体構造をもとに、エンドPMαを用いた生体認識配糖体の合成とその構造解析のための物品の購入に充てる。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (6 results)

  • [Int'l Joint Research] チュラロンコン大学理学部/ラムカンヘン大学理学部/カセサート大学教養学部(タイ)

    • Country Name
      THAILAND
    • Counterpart Institution
      チュラロンコン大学理学部/ラムカンヘン大学理学部/カセサート大学教養学部
  • [Presentation] エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ HSのX線結晶構造解析2022

    • Author(s)
      倉内郁哉、大倉和貴、田中里佳、細川千絵、伊藤和央、宮原郁子
    • Organizer
      2021年度量子ビームサイエンスフェスタ
  • [Presentation] 大倉和貴、森 真司、米澤健人、清水伸隆、神谷信夫、宮原郁子、伊藤和央2022

    • Author(s)
      Prevotella melaninogenicaの産生するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼPMの立体構造
    • Organizer
      2022年日本農芸化学会大会
  • [Presentation] Prevotella melaninogenicaの産生する宿主糖タンパク質糖鎖遊離酵素の立体構造2021

    • Author(s)
      大倉和貴、森 真司、米澤健人、清水伸隆、神谷信夫、宮原郁子、伊藤和央
    • Organizer
      第21回関西グライコサイエンスフォーラム
  • [Presentation] 担子菌の産生するアスパラギン結合型糖鎖遊離酵素のプロセシングプロテアーゼ2021

    • Author(s)
      高橋剛生、海住宜広、伊藤和央
    • Organizer
      第67回日本生化学会近畿支部例会
  • [Presentation] Prevotella melaninogenicaの産生する宿主糖タンパク質糖鎖遊離酵素の立体構造2021

    • Author(s)
      大倉和貴、森 真司、米澤健人、清水伸隆、神谷信夫、宮原郁子、伊藤和央
    • Organizer
      第94回日本生化学会大会
  • [Presentation] エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ HSのX線結晶構造解析2021

    • Author(s)
      倉内郁哉、大倉和貴、田中里佳、細川千絵、伊藤和央、宮原郁子
    • Organizer
      日本結晶学会令和3年度年会

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Published: 2022-12-28  

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