2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K05449
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 泰志 北海道大学, 工学研究院, 助教 (20732986)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エピメラーゼ / 酵素 / 天然物 / ペプチド / 阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 新規ペプチドエピメラーゼMurLの反応機構の解析: 当研究室で植物病原菌(Xanthomonas)に見出したペプチドエピメラーゼMurLは、反応にATPを補基質として要求する点で新規な酵素である。MurLの反応解析を行うべく、予想した反応機構に基づき提案した基質類縁体について、酵素的、有機合成的手法を用いて調製した。また、これらを用いた反応解析を行い、MurLの反応機構について解析を進めた。 (2)MurL/MurD2阻害剤の探索: 放線菌やカビの培養物ライブラリーのスクリーニングにより昨年度までに単離した新規ペプチドグリカン生合成経路の阻害剤について、NMRやX線結晶解析により、培養物サンプル中の活性本体はアクチノマイシン Dと決定した。また、本化合物のXanthomonas属細菌に対する抗菌活性の最少阻止濃度を明らかにした。さらに、組換え酵素を用いたin vitro実験で本化合物の阻害ターゲットであるMurD2の反応速度定数やアクチノマイシンDの阻害定数を決定した。 (3)ラッソペプチド天然物MS-271生合成に関わるエピメラーゼの探索: 生産菌Streptomyces sp. M-271に見出したMS-271生合成遺伝子クラスター中の機能未知遺伝子(mslH)について、大腸菌や放線菌を宿主にしたin vivo実験や、精製酵素を用いたin vitro実験で異性化活性の検出を行った。その結果、予想したペプチドを基質に異性化反応の進行が確認できた。また、本酵素について補酵素の要求性や基質特異性についての解析にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MurLの反応機構解析に向けて必要な類縁体などの調製と反応解析を行った、また、MS-271の生合成について異性化活性が確認できており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に推移しており、当初の計画に沿って研究を進める。特に、MurLの反応機構の解析について阻害剤の合成とこれを利用した実験を継続する。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していたより試薬の購入費用が抑えられたため。
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