2021 Fiscal Year Research-status Report
見過ごされていた立体選択的反応の開発を起点とする薬剤耐性菌克服に関する研究
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18K05465
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
矢島 新 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (30328546)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 天然物合成 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
確立した立体選択的ジヒドロキシル化を鍵段階とする光学活性アリルアルコール類の合成法を用いて1,3,5- bisabolatrien-7-ol、peniciaculin AおよびB、hydroxysydonic acidなど様々な生物活性天然有機化合物の全合成を達成することができた。それらの結果についてまとめた論文の発表に至り、その論文は掲載号の表紙として選出されるなど高い評価を受けている。 Amphidinin類の合成研究については、中間体の酵素による光学分割により望む立体異性体を95%以上の光学純度で得ることが可能となった。本手法は生物活性天然有機化合物の全合成における光学活性原料の大量供給に適した手法であると考えている。得られた化合物を用いることで抗腫瘍活性を有するamphidinolide Qやmonensineといった生物活性天然物の形式合成を達成した。 続いて、得られた光学活性中間体からamphidininの北部位の合成について検討した。2級ヒドロキシ基の立体の制御についてイリジウム触媒を用いる新規手法を開発することに成功し、全ての立体化学を制御した北部位の合成法を確立することができた。本手法はほぼ全ての段階が高収率で進行していることから、様々な化合物の合成中間体を供給することができる手法であると考えている。アシル基部位を連結することで、amphidinin類を網羅的に合成する手法の開発に繋がる重要中間体の合成に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行に伴う大学の入構規制などもある中、研究協力者と慎重に研究を進めていること、さらに2級ヒドロキシ基の立体選択性について当初満足できる結果が得られなかったことからあらためて反応条件の検討を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
Amphidinin類の全合成を達成するべく、北部位の立体選択的構築法を開発し、構造活性相関研究へのサンプル供給を行う。立体異性体混合物ではあるが、既にデメチル体の合成は完了しているので、現在抗菌活性試験を依頼しているところである。また、amphidinolide類とamphidinin類の生合成の関連性についての知見を得るため、リボフラノシド部位の改変についても検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行に伴う大学の閉鎖措置などにより、研究の進捗が著しく妨げられてしまったため、当初の計画通り研究が進まなかった。本年度は問題無く研究環境が整っていることから計画を遂行することが可能であると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Practical synthesis of aromatic bisabolanes: Synthesis of 1,3,5- bisabolatrien-7-ol, peniciaculin A and B, and hydroxysydonic acid2021
Author(s)
Arata Yajima, Izumi Shirakawa, Nanami Shiotani, Kazuya Ueda, Hazuki Murakawa, Tatsuo Saito, Ryo Katsuta, Ken Ishigami
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Journal Title
Tetrahedron
Volume: 92
Pages: 132253
DOI
Peer Reviewed
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